imajina news vol.9-「組織力の強化」と「業績向上」に必要な事とは?
2014/09/29(最終更新日:2021/12/09)
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前回のイマジナニュースでも紹介したが、大卒新入社員の約3割が入社後3年以内に退職をするなど、日本では離職率の上昇と人材不足が深刻化しており、人材確保を経営の最重要課題の一つとして挙げる企業が増えてきている。また、終身雇用や年功序列といった従来の人事制度から成果主義型の報酬制度へ移行する企業が増えるなか、長期的な人材育成よりも短期的な業績成果が重視される傾向を受け、より良い待遇や職場環境を求め、優秀な人材の流動化が進んでいる。特に上昇志向の高い有能な人材の多くは、自己成長や自分のキャリアプランに合った環境を求めて転職するようになり、企業側は将来を担う優秀な人材候補の流出に頭を悩ませている。
このような背景から、昨今「従業員エンゲージメント」という言葉が日本企業においても徐々に浸透しつつある。「エンゲージメント」とは、会社の戦略・目標を物差しとし、従業員がいかに会社の目指す方向を理解し、腹落ちし、そこに向かって自らの力を発揮しようとする自発的な貢献意欲の度合いを示すものである。
雇用者側が従業員に対し明確なビジョンを提示し、それに則した施策・職場環境を従業員に提供する。これに対し従業員が、会社の戦略やゴールを好意的に受け入れ、意欲的かつ、自発的に貢献していくという「エンゲージメント」意識が生まれれば、人と組織の高いパフォーマンスをもたらす事が出来る事は数多くの調査からも検証されている。実際に、「エンゲージメント」意識の高い従業員は、2.5倍の収益成長を促進させることも報告されている(※1)。
この従業員の「エンゲージメント」意識について、先月8月、タワーズワトソンズによる2014年 Global Workforce Study レポートが発表された。全世界26の主要グローバルマーケットにおいて32,000人の従業員を対象に調査を行った結果、半数以下の約4割の従業員しか会社の方向性や目標を理解しそれが正しいと信じ、組織の成功のために全力を尽くそうとする「エンゲージメント」意識を持てていないという。また、35%以上の企業が離職率の上昇を課題としており、いかに優秀な人材を惹きつけ、「エンゲージ」させ、引き留める事が出来るかが、グローバル規模での企業の課題であることが明確となった。
では、企業側は従業員に高い帰属意識・忠誠心を持って、意欲的に働いてもらう為には、どのようなベネフィットや環境を提供すべきか?
同レポートの結果によると、「基本報酬」、「学び成長できるチャンス」、「チャレンジングな仕事」、「安定性」が、従業員の挙げる最も会社に留まる要因として報告されている。
しかし本レポートにおいて最も興味深い結果であったのは、雇用側と従業員側双方の視点において、「リーダーシップ」の存在が、「エンゲージメント」意識を維持するための最重要ファクターであると回答している事である。実際、大多数の部下が上司に対し「リーダーシップがある」と評価する会社においては23%、更にリーダーシップのある経営者がいると回答した会社においては35%の従業員が高い「エンゲージメント」意識がある事が報告されている。更には、経営者、マネージャー共にリーダーシップを備えていると回答した企業においては、72%もの高い「エンゲージメント」意識がある事が明らかとなっている。
この結果が示す事。それは「エンゲージメント」意識の高い組織作りには、経営層が企業イメージ、ミッション、職務のゴールと目標を明確に定義し、従業員に協力の風土と、達成感が感じられる環境を作る為に、積極的にリーダーシップをとる事が必要であるという事だ。そして、リーダー層が従業員の多様性や価値観を共有・評価し、自分たちが何をしたいか、どうなりたいかのコミュニケーションを密にとり
従業員が成功するための阻害要因をなくし、ストレスと適切な業務量のバランスを保つ職場環境づくりを心掛ける事が、エンゲージメントの高い組織を実現する上で非常に重要である。
「自分の成長や働きがいを高めることが、自社の企業価値を高める」「企業の成長が自分の成長や働きがいを高める」という考え方が社内に浸透し、各々が実感できれば、雇用側と従業員双方において「エンゲージメント」意識が生まれ、組織力が強化され、ひいては業績向上も期待できるようになるのではないか。
※1 出典元:http://www.haygroup.com/jp/challenges/index.aspx?id=4848