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アパグループが運営し世界で計10万室を誇るビジネスホテル、アパホテル。ビジネスマン以外にも知名度が高いこのアパホテルは、独自のブランド路線を打ち出している。その中でも特徴的なのが、非常時にも攻めの姿勢を崩さず、ブランド力のアップを図っていることだ。コロナ禍で先行きが不透明な企業が多い中、このような姿勢を見せるアパホテルのブランド戦略を今回は見ていきたい。
アパホテルのブランドコンセプトは「新都市型ホテル」
アパホテルには、ブランド戦略の元となるブランドコンセプトがある。それは「新都市型ホテル」だ
「新都市型ホテル」とは、ゲストが誇りをもって宿泊し、スタッフも誇りをもってゲストに心地よいおもてなしをする。しかしゲストとスタッフはあくまで対等であり、不要なサービスは行わず、必要なサービスだけをきちんと行い、プライバシーを尊重するというものである。それらが為されたとき、客は「つぎも、そのつぎも アパホテル」を選びたくなる。このようにアパホテルのホームページには記されている。
各ホテルが豊富なサービスを提供する中、アパホテルは一貫して必要最低限のサービスしか提供しない。それは客の多くを占めるビジネスマンの時間を奪わないためである。そして余計なサービスを行わない一方、客が必要なものは全て提供する。駅の近くの立地にこだわったり、枕もとにコンセントやスイッチを集中させたりと、挙げればきりがない。些細なことであっても必要なサービスを必要なだけ提供する。これがアパホテルの真髄であろう。
以上の話はすべて通常時の話である。ではこのようなコンセプトを持つアパホテルが非常時にどのような対応をしたのか、次で見ていこう。
非常時で名を上げたアパホテルの施策とは
非常時において、アパホテルはどのような対応をするのか。
アパホテル創業オーナーでアパグループ代表の元谷外志雄氏は、マネーポストの取材に次のように答えている。
「彼らが開けている間は、赤字でかまわないから営業し続けろ」と指示しています。理由は「ブランド力」を世界に示すため。いま優先すべきことは、赤字回避よりも、自社のブランドを毀損させないことなのです。
元谷氏が述べている彼らとは、世界的なメガホテルチェーンのことだ。潤沢な資産を背景に、コロナ禍含め非常事態においてもアパホテルは営業を続けている。赤字になることより、ブランドイメージを保つことを優先している形だ。
さらにアパホテルは非常事態においてブランド力を、営業するという形以外で直に示している。それは非常事態において、被害を受けた人に対し、積極的に手を差し伸べるということだ。コロナ禍初期、アパホテルが自宅療養者の受け入れを真っ先に表明したことは記憶に新しい。さらに過去にさかのぼると東日本大震災の際にも、被災者に寝床や食料を提供している。このような非常時において、アパホテルの一貫して必要なものを的確に提供する姿勢が、人々から「大変な時に助けてくれた」という感謝を集め、ブランド力アップに寄与しているのだ。
参考記事:コロナ禍が続く今こそ、ブランドづくりを
非常時こそブランディングのチャンス
この、非常時こそブランディングのチャンスということは、アパホテルだけに言えることではない。現在コロナ禍が続いており、先行きの見えない企業が多い。
ブランディングは一朝一夕で完成するものではない。しかしこのような状況だからこそブランディングに時間をかけて取り組むことで、アフターコロナにおいても自社らしさを発揮し、競合と差別化を図る企業は成功すると言えるのではないだろうか。
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またその他のブランディング事例について知りたい方はこちらを参考にしていただきたい。