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「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げる企業をご存知だろうか。
<日本の工芸はピーク時の1/5以下にまで減少し危機に瀕しています。
ものが溢れるこの時代、何を選ぶのか、さらに言えば、
何をもって善とするのか
何をもって美とするのか
何をもって真とするのか
個人の価値観が問われる時代であると感じます。
そしてそれは企業においても同じです。>
(引用元:中川政七商店|日本の工芸を元気にする!)
江戸時代、幕府御用達の高級麻織物である奈良晒から始まり、現在は自社ブランド6社を保有。さらには地域活性事業まで営む、奈良発のブランド中川政七商店のホームページに記載されている言葉である。
<中川政七商店が掲げる「日本の工芸を元気にする!」とは、日本の工芸各社が経営的に自立し、ものづくりに誇りを取り戻すこと。そして地域が潤い、日本人が誇りを取り戻し世界に工芸大国日本と言うブランドを作るということです。>
(引用元:中川政七商店|日本の工芸を元気にする!)
と明記されている。
中川政七商店の魅力の一つは「日本の工芸を元気にする!」というビジョン・ドリブン(※1)企業として、
事業に対し明確な大義があるという点だ。
このコロナ禍においても、工芸品の魅力をストーリーとして伝える取り組みを積極的に行ってきた結果、
ECサイトの売り上げは前年比300%の伸びとなった。
(参考文献:中川政七商店、押し付けない「良さ」の伝え方に学ぶ)
ビジョン・ドリブン(※1)個人的な妄想からスタートして、それをエネルギーに変えていくアプローチ。妄想駆動型。
さらに中川政七商店では、これまでも「工芸大国日本というブランドの構築」という明確な大義のため、様々な改革や決断が行われてきた。
特に大きな決断として、代々受け継がれてきた、創業家である中川氏から千石あや氏に代表が変化したことが挙げられる。300年続く老舗において、トップに創業家以外の人を選出することは並大抵ではない。しかしながら、中川政七商店にとって「日本の工芸を元気にする!」というビジョンが明確だからこそ、迷いはなかったのではないかと考えられる。
(参考文献:トップダウンから最強のチームワークへ。14代千石社長と中川政七商店302年目の挑戦)
未来へのロードマップを掲げ、「これから先」に対し、とことん向き合う企業には強い軸がある。
日本の未来を作るのは、働く一人一人
企業には日本を変える大きな力がある。
先に挙げた中川政七商店では「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを達成するため、創業家が受け継ぐという伝統的な慣習よりも、強いチームとしてより良いモノづくりが行えるよう、体制に大きな変化を起こした。そして、今年の四月には奈良の伝統工芸に触れ、体験できる「鹿猿狐ビルヂング」が誕生した。布蔵体験や茶道体験など行える場として、工芸の産地を活気ある場所にする取り組みを行っている。
【組織】という言葉を広辞苑で調べた時「ある目的を達成するために、分化した役割を持つ個人や下位集団から構成される集団」と記載されている。
この表現からもわかるように組織とは、属する一人ひとりが役割を持ち、目的達成のために構成された集団である。言い換えれば、目的達成するためには組織という集団の視点だけでなく、個人として組織が向かう方向性に共感した上で、ともに伴走する必要性がある。
自社がどのような方向へ進み、何を指標に舵取りをするか考えるのは、何も経営者が一人で行うことではない。働く一人ひとりが自分事として物事を捉え、未来に向けて試行錯誤することが必要となる。経営者はむしろ、働く人々が挑戦できる環境を整えること(インナーブランディグ)に注力すべなのかもしれない。
改めて、自社ブランドが進むべきビジョンは明確で、かつ皆に伝わるものであるか、今一度考えてほしい。ともに働く社員が挑戦できるような風土が社内に構築されているのであろうか。そして、組織で働くメンバーの一人としてもまた、自社で働きたくなるようなビジョンが掲げられているか、見直してほしい。
私たちイマジナは、そのようなブランドの想いや背景を紐解くお手伝いをしている。
独自に開発したブランド設計図をもとに、企業のこれまで、現在、そして未来の姿をわかりやすく解釈し、そのブランドにある想いや背景を言語化していく。
2700社の実績があるイマジナだから知っている他社事例をもとに、
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