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ニーズ・シーズ・ウォンツとは?違いや成功事例を紹介!

2022/06/08(最終更新日:2022/11/08)

#インナーブランディング #ビジョン #ブランド構築

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ニーズ・シーズ・ウォンツとは?違いや成功事例を紹介!

ビジネス用語の意味や使い方を正しく理解することは、マーケティングを行う上で重要です。しかし、中には意味がややこしい用語も多く、間違った使い方をしている人も少なくありません。ニーズ・シーズ・ウォンツは、その代表例です。

そこで今回は、ニーズ・シーズ・ウォンツの意味の違いや、シーズ志向とシーズ志向のメリット・デメリットについて紹介します。「新規事業に活用できるアイデアを得たい」「幅広いビジネス用語や考え方を知りたい」という人は参考にしてください。

ニーズ・シーズ・ウォンツとは?それぞれの違いは?

ニーズ・シーズ・ウォンツは、いずれもマーケティングにおいて重要な用語です。それぞれの意味を一言で表すと、下記のようになります。

ニーズ 消費者の欲求。消費者は理想と現状のギャップに不満を感じているものの、具体的な解決策が分からない状態。
シーズ 生産者が提供できる価値や強み。市場に存在しない新たな価値を生み出そうとする際に重要な概念。
ウォンツ 具体的な商品やサービスへの欲求。消費者は購買行動に比較的近い状態。ニーズの把握にも役立つ概念。

用語の意味の違いを理解し、それぞれの考え方について知っておくことは、事業を円滑に進める上で重要です。ここからは、ニーズ・シーズ・ウォンツの意味について順番に詳しく解説します。

ニーズとは?

ニーズとは、消費者の欲求を指すマーケティング用語です。消費者が自身の欲求を自覚している「顕在ニーズ」と、自覚していない「潜在ニーズ」に分られます。消費者は、理想と現状のギャップに不満を感じているものの、解消するための具体的な手段が分かっていません。

「店舗の業務を効率化したい」「売上をアップさせたい」「集客数を増やしたい」と、何かしらの欲求はあるものの、どのような商品やサービスを利用すれば達成できるのか理解できていない状態です。消費者視点でニーズを的確にとらえることで、需要のある商品やサービスを開発することができます。

シーズとは?

シーズとは、生産者が提供できる価値・強みを指すマーケティング用語です。ニーズとは対極の概念として使われることが多く、生産者視点であることがポイントになります。基本的には、企業が持っている技術力・ノウハウ・企画力・アイデアなどを使って、どのような価値を消費者に提供できるかを考えるというアプローチを行います。

生産者目線の考え方であるため、消費者が気づかなかったアイデアが生まれる場合も少なくありません。まだ市場に存在しない新たな価値を生み出そうとする際は、シーズという概念を理解しておくことが重要です。

ウォンツとは?

ウォンツとは、具体的な商品やサービスへの欲求を指すマーケティング用語です。消費者は特定の商品やサービスを「欲しい」と感じており、ニーズよりも具体的な欲求を持っている、あるいは欲求に対して自覚的であるため、購買行動に比較的近い状態と言えるでしょう。

また、消費者がウォンツについて考える場合は、具体的な商品やサービスがすでに存在していることが前提になります。そのため、消費者調査をすることで、世間のウォンツを的確にとらえることが可能です。消費者のウォンツを分析すると、潜在的な欲求に気づくことも少なくありません。消費者自身が自覚していないような、潜在的な課題を発見する際にも役立つでしょう。

ニーズ志向のメリット・デメリット

ニーズ志向のメリット・デメリットを理解すると、消費者目線のマーケティング活動で役立ちます。ニーズ志向の特徴を理解し、実際の経営に役立ててみましょう。ニーズ志向のメリット・デメリットは下記の通りです。

ニーズ志向のメリット

● ニーズ発想の商品やサービスには常に一定の需要がある

● 競合他社の分析がしやすく、付加価値を付けることで他社よりも優位性のある商品やサービスを作ることができる

● 既存の商品やサービスよりも高機能あるいは低価格のものを出すことで、消費者の心を掴むことができる

ニーズ志向のデメリット

● 後発でも参入しやすいため、市場の独占は難しい場合が多い

● 成熟し切った市場では、付加価値を付けるのが難しく参入しづらい

● 商品やサービスの価格競争に巻き込まれると利益率が減少する

ニーズ志向は、消費者の欲求をもとに商品やサービスを開発していく考え方であるため、需要が高く途切れることがありません。とはいえ、同じような商品やサービスが乱立する場合も少なくないため、市場を独占したり、長期にわたり勝ち続けたりするのは難しいと言えるでしょう。

ニーズ志向でのマーケティング成功事例

ニーズ志向でのマーケティング成功事例として有名なのが「QB HOUSE」です。QB HOUSEは駅前や駅中に進出しているカット専門店で、低価格・短時間・高利便性を売りにしており、「この間カットしたのにもう伸びた」という顧客ニーズに応えるスタイルキープというサービスを提供しています。1か月に1回のカットで髪型をキープできるサービスは、清潔感を大切にする忙しいビジネスパーソンや、ショートヘアの女性にも人気です。

また、1人あたりの所要時間は約10分と短く、「長時間じっとしていられない子どもの髪を切ってほしい」という親の需要にも対応しています。親子で一緒にカットする場合は一般的な美容室の半額程度で利用できるため、無駄な出費を抑えたいというニーズも満たしています。

(参考:QB HOUSE「QB HOUSEの5つのちょうどいい」

シーズ志向のメリット・デメリット

シーズ志向のメリット・デメリットは下記が挙げられます。「生産者視点でどのような価値を提供できるか」でアプローチするシーズ志向は、ニーズ志向と対照的な考え方として覚えておくと、実際のマーケティング手法を立案する際に役立つでしょう。

シーズ志向のメリット

● シーズ発想の商品やサービスには独自の価値があるため、場合によっては市場を独占できる可能性がある

● 自社の強みを生かした商品やサービスは、価格競争に巻き込まれるリスクが低い

● アイデア次第では、一発逆転を狙えるヒット商品を開発できる

シーズ志向のデメリット

● 消費者のニーズと合致しなければ見向きもされないリスクがある

● よい商品やサービスを提供しても、需要が低ければ利益が出ない場合もある

● すでに多種多様な商品やサービスが出回っているため、革新的なものを生み出す難易度は年々高まっている

シーズ志向は、ハイリスク・ハイリターンの考え方と言えるでしょう。自社の強みを生かした商品・サービス開発となるため、新たなイノベーションの原点となる可能性を秘めています。ただし、現代ではあらゆる分野でさまざまな商品・サービスが提供されているため、シーズ志向で安定的に経営していくのは簡単ではありません

シーズ志向でのマーケティング成功事例

シーズ志向のマーケティング成功事例として有名なのが「iRobot」です。iRobotは、高度なロボット工学技術やオリジナリティあふれる創造性を生かして、他にはない独創的な商品開発に成功しています。近年では、従来の掃除機の常識を一変するようなロボット掃除機「ルンバ」を研究開発して世の中にリリースしました。iRobotを象徴する商品であるルンバは、シーズ志向により生み出された商品の好例です。

「手を使わずに掃除ができる」「コンパクトでデザイン性が高い掃除機」「AIにより掃除を自動化」というように、生産者ができることを基準にして「消費者にどのような価値を提供できるか」を考え、消費者自身が気づかなかった潜在的な欲求に合致した商品を生み出しました

(参考:iRobot Corporation

まとめ

「ニーズ」は理想と現状のギャップに対する消費者の不満が表れた欲求、「シーズ」は生産者の技術やノウハウによって提供できる価値や強み、「ウォンツ」は商品やサービスに対する具体的な欲求です。ニーズは消費者目線・シーズは生産者目線という違いはありますが、どちらの志向もよりよい商品やサービスを生み出す上で欠かせません。

また、消費者に支持される会社に成長するには、ブランディングも必要です。イマジナでは、企業のブランディングをサポートしておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。

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