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組織再編とは|4つの手法やそれぞれのメリットを解説

2022/06/09(最終更新日:2022/11/08)

#インナーブランディング #ブランド構築

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組織再編とは|4つの手法やそれぞれのメリットを解説

経営の効率化、意思決定の迅速化、税務上の優遇などを目的に、組織再編を考えている人も多いのではないでしょうか。組織再編の手法にはいくつか種類があり、それぞれ適した場面やメリット・デメリットが異なります。組織再編を有意義なものにするためには、特徴や気をつけるべきポイントを押さえることが大切です。

この記事では、組織再編の概要や、4つの手法のメリット・デメリット、適格組織再編について紹介します。自社の組織再編を進めようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

組織再編とは

組織再編とは、企業の統合・事業の承継・株式の取得などにより、会社の組織を変更・編成し直すことです。組織再編を行えば、管理コストの削減、競争力の強化、企業規模の拡大、資金力の増強など、さまざまな効果が期待できます。

主な組織再編の手法は、「合併」「株式交換」「株式移転」「会社分割」の4つです。これらの手法は2006年5月に施行された「会社法」によって規定されており、それぞれにメリット・デメリットがあります。また、組織再編で「適格要件」を満たした場合、節税などの税務上の効果も見込めます。

組織再編と組織変更の違い

組織再編と混同されやすい言葉として「組織変更」があります。組織変更とは、自社の法人格を残したまま会社の形態を変更することです。株式会社から持分会社(合名会社・合同会社・合資会社)への変更、あるいは持分会社から株式会社への変更の2パターンがあります。

株式会社から持分会社へ変更するメリットは、意思決定から実行までをスピーディーに行えることです。株式会社では、意思決定が株主によって左右されて時間を要しますが、持分会社では出資者と経営者が基本的に同一のため、意思決定に時間がかかりません。

持分会社から株式会社へ変更するメリットは、信用度が向上し、資金を確保しやすいことです。持分会社は会社規模が小さく信用度が劣る場合が多いため、金融機関から融資を受けにくい傾向にあります。株式会社へ変更すれば信用度が高まり、金融機関からの融資、株主からの出資によって資金調達できるようになります。

組織再編の4つの手法とメリット・デメリット

会社法の規定によれば、組織再編には4つの手法があり、どれを選択するのかでメリット・デメリットは変わってきます。そのため、組織再編の目的などを熟考して、どの手法を選択するか決めることが重要です。

ここでは、4つの手法の意味やメリット・デメリット、その手法が適している目的について解説します。

合併

合併とは、複数の会社が合体して1つの会社となることです。合併した会社の1つが存続し、それ以外が消滅する「吸収合併」と、合併会社のすべてが消滅し、新たに会社を創設する「新設合併」の2つがあります。合併した企業同士の結びつきが強くなり、綿密な関係性を構築できるのが特徴です。

合併のメリットは、経営の効率化、資金増加、顧客ネットワークの拡大などです。信頼度が高まり、事業展開しやすくなります。デメリットは、人件費などのコスト増加や、組織拡大による意思疎通のしにくさなどです。資本増加によって、法人税法の優遇対象から外れる可能性もあります。

短期間で企業規模を拡大したり、業績を回復させたりしたい場合は、合併が有効な手段です。また、技術力・競争力の向上を目的とする場合にも向いています。

(出典:e-Gov法令検索「会社法」

株式交換

株式交換とは、親会社となる既存会社(株式会社または合同会社)が、別会社の発行済株式をすべて取得し、完全子会社化することです。子会社が持っている株を、親会社の株に交換します。親会社は、傘下に入った会社の意思決定をコントロールできるようになります。

株式交換のメリットは、買収先の株式取得だけで子会社化できるため、買収資金が必要ないことです。一方でデメリットは、子会社の株主がすべて親会社の株主になり、株主構成が大きく変わることです。親会社が上場企業の場合、投資家の期待が下がると株価が低下するリスクもあります。

株式交換は、グループ内部の連携を強化することが目的で行われます。グループ会社を100%子会社化したい、持株比率を高めて親会社の経営に参画したい場合などに有効です。

(出典:e-Gov法令検索「会社法」

株式移転

株式移転とは、新しく設立された会社が既存会社の株式をすべて取得し、子会社化することです。1度に2社以上を子会社化することもできます。株式交換と似ていますが、親会社が既存会社ではなく「新設」である点で異なります。

株式移転のメリットは、株式交換と同様に買収資金が必要ないため、コストを最小限に抑えられることです。グループ内部の意思決定もスピーディーになります。デメリットは、新会社設立によって、法人の維持コストが発生することです。株式移転前より、株価が下がるリスクもあります。

株式移転の手法が用いられるのは、持株会社(ホールディングスカンパニー)を設立するときです。グループ会社の包括的な管理や事業の多角化、自社ブランドを共有した企業規模の拡大などができます。事業の権利・義務を変動させないままで、経営統合することも可能です。

(出典:e-Gov法令検索「会社法」

会社分割

会社分割とは、自社の既存事業を一部切り離し、買い手企業へ承継させることです。事業を新設会社に承継する「新設分割」と、既存の会社に承継する「吸収分割」の2つがあります。会社ではなく事業単位での分割・承継となるため、分割を行った会社は消滅しません。

会社分割のメリットは、不採算事業や成長事業などを選んで切り離せる点です。買収資金は必要なく、承継する資産は税制上の優遇も受けられます。デメリットは、事業承継にかかわる社員やノウハウも譲渡することになるため、優秀な人材・技術を失う可能性があることです。分割後の事業は承継会社のルールに従うことになり、企業風土の統一がうまく進まないこともあります。

会社分割は、主に企業グループ内の整理に用いられます。不採算事業を切り離して負債のスリム化を図ったり、重複したグループ内事業の統合を行ったりするときに有効です。

(出典:e-Gov法令検索「会社法」

税制上有利な「適格組織再編」とは

組織再編には、「非適格組織再編」と「適格組織再編」の2種類があります。適格組織再編に該当すると、資産・負債の移転を薄価で行い、評価損益を計上せずに課税を繰り延べできます。節税効果が期待できますが、適格組織再編に該当するには適用要件を満たさなければなりません。

適格要件は、組織再編にかかわる会社の支配関係によって異なり、一定の要件を満たす必要があります。適用要件にはさまざまなものがありますが、代表的な要件は下記の通りです。

    • 金銭等不交付要件

株式以外に対価の交換がないこと

    • 事業規模要件

双方の事業に関する規模の割合が、おおよそ5倍を超えないこと

    • 完全親子関係継続要件

株式交換・株式移転後に、親会社と子会社との間に完全な支配関係が継続することが見込まれていること

    • 主要資産等引継要件

分割事業にかかる主要な資産と負債が、分割承継法人に移転していること

自社と相手企業との支配関係や組織再編の手法によって、適格要件の内容は複雑に変化します。どの要件を満たせばよいか分からないときは、専門家に意見を求めるとよいでしょう。

(出典:e-Gov法令検索「法人税法」

まとめ

組織再編とは、会社の組織を変更・編成し直すことです。組織再編を行うことで、コスト削減や企業規模の拡大など、さまざまな効果が期待できます。

組織再編の主な手法は、合併・株式交換・株式移転・会社分割の4つで、それぞれにメリット・デメリットがあります。組織再編を行う目的ごとに最適な手法が異なるため、自社に合う方法がどれなのか、よく見極めることが大切です。組織再編が成功すれば企業をより成長させられるため、適切な方法を選んで取り組みましょう。

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