INDEX [非表示]
グローバル人材育成とは、ビジネスにおいて幅広い分野で成果を出せる人材を育成することを意味します。近年は海外市場へのビジネス展開を視野に入れる企業が増えており、海外進出を狙う企業にとってグローバル人材の育成は必要不可欠です。
今回は、グローバル人材育成に注目が集まる理由を解説した上で、人材に求められるスキルと人材育成の流れ・ポイントをご紹介します。事業をグローバルに展開したい経営者・人事担当者の方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
グローバル人材とは?
グローバル人材とは、国内・国外を問わず、幅広い分野・ビジネスにおいて成果を出せる人材のことです。グローバル人材の定義は、文部科学省・総務省・人材育成推進会議が下記の通りに示しています。
(1)文部科学省の定義
「グローバル人材」の概念を整理すると、概ね、以下のような要素。
要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
このほか、幅広い教養と深い専門性、課題発見・解決能力、チームワークと(異質な者の集団をまとめる)リーダーシップ、公共性・倫理観、メディア・リテラシー等。
引用:文部科学省「グローバル人材の育成について」引用日2022/09/07
(2)総務省の定義
「グローバル人材」とは、第2期計画において、日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、ⅰ)豊かな語学力・コミュニケーション能力、ⅱ)主体性・積極性、ⅲ)異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材とされている。
引用:総務省「グローバル人材育成の推進に関する政策評価書」引用日2022/09/07
(3)人材育成推進会議の定義
「グローバル化」とは、今日、様々な場面で多義的に用いられるが、総じて、(主に前世紀末以降の)情報通信・交通手段等の飛躍的な技術革新を背景として、政治・経済・社会等あらゆる分野で「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」が国境を越えて高速移動し、金融や物流の市場のみならず人口・環境・エネルギー・公衆衛生等の諸課題への対応に至るまで、全地球的規模で捉えることが不可欠となった時代状況を指すものと理解される。
引用:グローバル人材育成推進会議「グローバル人材育成戦略」引用日2022/09/07
企業はグローバル人材を育成することで、複数の国をまたがる横断的なビジネス・プロジェクトで活躍できる人材を獲得できます。
グローバル人材に注目が集まる理由
グローバル人材に注目が集まる理由は、海外市場へのビジネス展開を視野に入れている企業が増えているためです。
近年の日本経済は停滞傾向にあり、国内市場の拡大は見通せない状況となっています。継続的な成長を目指すために、国際的な事業展開や海外企業との業務提携を検討する企業も多いでしょう。海外進出を狙う企業にとって、必要となる人材は「グローバル人材」です。
また、近年のダイバーシティ化推進により、企業は国籍・性別・価値観などを問わず多様な人材の採用・育成が必要となりました。企業のダイバーシティ化を実現する上でも、多様性や異文化への理解があるグローバル人材は重要な役割を果たします。
グローバル人材に求められるスキル3つ
グローバル人材の定義で示されているように、グローバル人材はさまざまなスキル・能力が求められます。中でも、特に重要となるスキルが「語学力」「コミュニケーション能力」「主体性」の3つです。
(1)語学力
語学力は、英語・中国語・フランス語などの外国語を理解し、自分でも巧みに使える能力のことです。
グローバル人材の語学力は単に外国語を使えるだけではなく、外国語で相手と交渉したり、共に問題解決をしたりも求められます。企業がビジネスを展開する国・地域によっては習得済みの言語が通じないケースもあるため、現地で通じる言語を積極的に学ぶ向上心も必要です。
(2)コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、対人関係においてスムーズな意思疎通ができ、かつ自己表現もできる能力のことです。
グローバル人材は世界中のビジネスパーソンと共に働くことが想定されており、自分とは異なる価値観・文化を受け入れ、協調できる力が欠かせません。同時に、自分の考えや主張を相手に誤りなく伝えられる力や論理的思考力も求められます。
(3)主体性
主体性は、自らの意思・判断に基づいて自発的に行動できる能力のことです。
複数の国にまたがって活躍するグローバル人材は、さまざまなイベントや課題にぶつかります。前例のない事態にも臆さず飛び込んで成果を出すためには、主体性を持って行動できる力が重要です。
「語学力」「コミュニケーション能力」「主体性」の習得は簡単ではありません。人材に重要な3つのスキルを習得させるために、ブランディングセミナーを活用しましょう。
グローバル人材育成の流れ・ステップ5つ
グローバル人材育成の流れは、下記に示す5つのステップに分けられます。流れに沿って進めることで、グローバル人材の効率的な育成が可能です。
- 候補者をリストアップする
- 候補者の能力と課題を把握する
- 育成計画を作成する
- 育成計画のPDCAを回す
- 人材を抜擢する
以下では、各ステップで取り組むべき具体的な内容を解説します。
候補者をリストアップする
最初に、グローバル人材として育成する候補者をリストアップしましょう。社員リストや人事評価データなどの人材情報を活用して、グローバル人材の素養を持つ優秀な人材を選抜します。
候補者のリストアップでは、上司の推薦や自薦を集めることも重要です。推薦は周囲からの評価が高い人材、自薦は主体性を持つ人材であり、グローバル人材となる素質を持っています。
育成できる人数よりも候補者が多い場合は、候補者の優先順位を付けて育成対象者を絞りましょう。自社にとって理想となるグローバル人材のスキルを点数化して、点数がより高い人材を優先順位の上位に置くと、自社が必要とするグローバル人材を育成できます。
候補者の能力と課題を把握する
候補者のリストアップが完了したら、以下の3つの視点で候補者の能力と課題を把握します。
- 候補者はどのような能力を持っているか
- 候補者に不足している能力は何か
- どのような能力を習得・開発すればグローバル人材になれるか
グローバル人材には「語学力」「コミュニケーション能力」「主体性」に加えて、リーダーシップや問題解決能力、日本文化・歴史に関する知識も必要です。
候補者の能力と課題を徹底的に分析することで、グローバル人材育成における全体の方向性や、人材ごとに必要な育成内容を把握できます。
育成計画を作成する
候補者の能力と課題について把握した内容をもとに、育成計画を作成します。
育成計画を作成する際は、候補者に不足している能力を習得させるための育成方法を選定するのが基本です。グローバル人材の育成方法には、集合研修・語学研修や外部のセミナーへの参加、上司や先輩社員が個別に指導するOJTの実施などがあります。育成に割ける人員・予算や教育の効果を考慮して、自社にとって適切な育成方法を選択しましょう。
また、育成をいつまでに、どのような段階まで進めるかのプランニングも重要です。人材育成は一朝一夕にはできないため、中間目標をいくつか設定した中長期的な計画が必要となります。
育成計画のPDCAを回す
育成計画の作成後は、実際にグローバル人材育成を進めてPDCAを回します。
集合研修やセミナーなどで人材を育成した後は、候補者の評価を行い、育成計画の進捗をチェックします。教育の効果が薄い、設定した中間目標に到達できないなど、計画全体の修正が必要となるケースも少なくありません。
グローバル人材育成を進めるうちに、個々の人材に適した育成方法や本当の課題が明らかになります。得られたデータをもとに育成計画の修正を行い、PDCAを回し続けることで、効果的なグローバル人材育成が行えるようになるでしょう。
人材を抜擢する
最後に、育成を終えた人材を抜擢します。育成した人材の個性・専門分野・評価に合わせて、活躍が期待できるビジネス・プロジェクトの最前線に送り出しましょう。
人材の抜擢では、対象となるグローバル人材の層が厚いほど、より有能で適切な人材を選びやすくなります。規模の大きいプロジェクトでは多数のグローバル人材が必要になるため、グローバル人材育成は継続的に行い、人材プールを作っておくことが大切です。
株式会社イマジナでは、全3回の「アンバサダー育成ワークショップ」を実施しております。第1回・第2回のワークショップではブランディングをテーマに学び、第3回ではブランドの浸透プロジェクトを提案・実施する内容です。グローバル人材候補者の主体性やリーダーシップを育成する機会としてぜひご活用ください。
まとめ
グローバル人材育成とは、国内外を問わず、幅広い分野で成果を出す人を育成することです。主に海外進出を狙う企業に適した人材育成ですが、国内でもさまざまな場面で活躍できるため、企業そのものの幅を広げ成長を目指す企業にもおすすめの育成方法です。
グローバル人材を育成するためには、まず社内で優秀な人材を絞り、人材の能力と課題を分析・把握して計画を作成した上で、PDCAを回します。育成が終了したら、適材適所に人材を送り出す流れが一般的です。
イマジナでは、企業のグローバル化を支援する取り組みを行っています。無料のブランディングセミナーも開催していますので、興味のある方はぜひご参加ください。