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目標や目標の立て方はさまざまであり、どのようなやり方をすれば失敗しないか疑問に思う方は少なくないでしょう。目標を立てる際は指針をしっかりと決めた上でどのような行動をすべきか細分化して考えることが重要です。
この記事では、目標を立てる必要性から、良い目標の特徴、目標の立て方、目標達成のためのポイントまでを具体例を交えながら詳しく解説します。仕事やプライベートで何かを達成したい方、成長を感じたい方は、ぜひご一読ください。
目標を立てることが望ましい理由
何かを達成するためには、適切な目標を立てることが大切です。目標を立てることが望ましい理由は主に2つあります。
・モチベーションを維持しやすいため
目標を設定すると、やる気が向上し、自尊心や自信が高まります。つまり、目標を設定すること自体に意味があるということです。また、設定した目標に向かって努力するプロセスでは、脳内にドーパミンが分泌され、モチベーションを維持しやすくなると言われています。ただし、目標が高すぎる場合や抽象的な場合は却ってモチベーションの低下につながるため、注意が必要です。
・時間とコストを有効に使えるため
特にビジネスにおいては、時間とコストは有限です。そこで適切な目標を設定できれば、限りある時間とコストを有効に利用して成果につなげられます。ただし、目標設定が間違っていた場合はかけた労力を無駄に感じる場合があるため、目標設定は慎重に行う必要があるでしょう。
適切な目標を設定すると、個人はもちろん、組織などのチームにとってもモチベーション向上の源泉になります。また、取るべき手段や優先順位が明確になり、ゴールまでの目標管理もしやすくなるため、何かを達成するためには目標を立てることが望ましいでしょう。
良い目標とは?
せっかく目標を立てても、達成できないまま終わってしまうこともあります。しかし、目標未達が何度も続く場合は、目標の立て方そのものを見直す必要があります。目標の良し悪しを決めるのは「指針の有無」です。明確な指針に基づいて立てた目標は達成しやすくなり、指針のない目標は達成できずに終わるケースが多い傾向にあります。
目標を立てる際に必要な指針とは、自分の理想像や「こうなりたい」と思う姿です。例えば、ダイエットに関する目標例を見てみましょう。「半年以内に5キロ痩せる」といった目標は一般的であり、具体的な良い目標にも見えます。しかし、「5キロ痩せる」という目標にはその先がありません。5キロ痩せてどうなりたいのかという理想や、そもそもなぜ痩せたいのかという部分が抜けています。
目標を立てる上で大切なのは、「5キロ痩せる」の先のビジョンです。水着を堂々と着たい、健康的な体を手に入れたいなど、自分がなりたい姿を考えることが「良い目標」につながります。「5キロ痩せる」は実は目標ではなく、あくまで、自分がなりたい姿になるための手段ということです。
指針と行動を分けて考えることが重要
良い目標では、指針と行動が区別されています。ダイエットの例で言えば、「5キロ痩せること」と「自分がなりたい姿になること」はどちらも目標に見えますが、明確に異なります。「自分がなりたい姿になること」は目標の指針であり、「5キロ痩せること」は目標を叶えるために必要な行動・タスクです。
指針と行動の2つの違いを意識して使い分けることが、目標を達成するための重要なポイントとなります。目標への努力がうまくいかない場合は、自分が立てた目標に指針があるかどうか、自分の目標が「行動」ベースになっていないかなどを見直しましょう。
目標の立て方
悪い目標を立ててしまうと、努力の方向性を誤り、苦労が水の泡となることがあります。また、高すぎる目標を立てると、モチベーションや努力を継続できなかったり、ビジョンを達成できずに終わったりすることも少なくありません。何かを達成するためには、ポイントを押さえて正しく目標を立てることが大切です。
ここからは、目標の立て方の例を紹介します。順序に沿って目標を立てることで、望む未来に辿り着きやすくなるため、ぜひ参考にしてください。
目標をジャンル分けする
目標を決めることは、日々をより良く過ごすための目印だと考え、視野を広げておくことが大切です。そして、自分の生活を構成するジャンルは何かを考えましょう。例えば、「ビジネス」「自己向上」「家族」「健康」という風に、自分の構成要素を大きくジャンル分けしてみてください。
ビジネスシーンであれば、目標を「すでに課題が発生している場合」と「あえて目標を設定する場合」にジャンル分けすることもできます。すでに課題が発生している場合とは、赤字が発生していたり、不良品率が高い生産ラインがあったりするケースです。この場合、「ここまでできているのが正常である」という基準値を目標に設定することになります。
あえて目標を設定するパターンとは、「基準値は超えているが、自らの意志で目標を繰り上げる(ストレッチ目標)」というケースなどです。例えば、すべての行程を年内に完了させることを会社から期待されている場合、状況を踏まえた上で10月中に完了させるよう決定することなどが該当します。
自分にとってどのようなジャンル分けが必要かを考え、ジャンルごとに目標を立てることで、「なりたい自分」のビジョンを明確にできます。
指針を決める
自分の1年を構成する要素をジャンル分けしたら、それぞれの指針を決めましょう。以下では、「ビジネス」「自己向上」「家族」「健康」の4つにジャンル分けした場合の指針を例として紹介します。
ビジネス | 熱意を持って働き、新しいことにもどんどん挑戦する。担当業務の幅を広げる。 |
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自己向上 | より多くの人と交流して視野を広げる。リーダーシップを発揮できるようになる。 |
家族 | 子供の成長を感じながら、平穏な日々を過ごす。家族との時間を大切にする。 |
健康 | 免疫力を向上させ、風邪などに負けない体を作る。体脂肪を減らし、夏のファッションや水着を堂々と着られるようになる。 |
このように先に指針を決めておかないと、目標達成にこだわるあまり、本来の「なりたい自分」から遠ざかってしまう可能性があります。そのため、目標を定めるよりも先に指針を決め、日々をどのような気持ち・どのような状態で過ごしたいかを見据えることが大切です。
具体的な行動を考える
指針を決めたら、具体的な行動を考えます。例えば、「日商簿記3級の資格を取る」「月に1回○○セミナーに参加する」「年に3回以上旅行に行く」「毎日1万歩歩く」などです。
自分が決めた指針に沿って、具体的な行動を思いつくままに書き出しましょう。考え出した行動をすべて行う必要はありません。まずは自由に考えることで選択肢を広げ、その中から重要だと思ういくつかの行動に絞るというやり方がおすすめです。
行動を細分化する
目標をいつまでに達成するかを考えるためにも、目標を達成するための行動を細分化しましょう。
1年以内に達成したい目標を立てる場合、月単位・週単位など、できるだけ細かく達成期限を決めます。そして、月単位・週単位で取るべき行動を決めましょう。例えば、「週に1回勉強会に参加する」「毎日90分資格の勉強をする」といった行動目標です。
細分化することで、自分の現在の状況や、目標の達成度を把握しやすくなります。また、小さな達成感を積み重ねることで、モチベーションも維持しやすくなるでしょう。
目標設定して達成するためのポイント
目標は達成することに意味があります。目標の立て方や達成のための道筋については、1つの方法にこだわらず、自分に合ったやり方を探すなどの工夫が必要です。そのために一般的なポイントを知っておくことは、自分の目標設定や達成のために役立つでしょう。
ここからは、目標設定して達成するためのポイントについて解説します。
SMARTを意識する
目標設定して達成するためには、「SMART」を意識することが重要となります。SMARTとは、アメリカの学者ジョージ・ドランが提唱した、ゴール設定のためのフレームワークです。SMARTは以下の5つの言葉の頭文字を取った言葉になっています。
Specific(具体的に・明確に) | 「頑張ります」などのあいまいな目標ではなく、具体的に何をどのような状態にするのかを考える。 |
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Measurable(測定可能な) | 「売上を○万円伸ばす」など、目標の達成度が確認できる測定基準を設ける。 |
Achievable(達成可能な) | 単なる願望や理想ではなく、現状の自分が努力すれば達成できる、現実的な目標レベルで設定する。 |
Related(関連した) | 仕事のミッションや自分の夢・願い、なりたい自分の姿などと関連性が高い目標を設定する。 |
Time-bound(期限がある) | 「いつまでに何をどうする」という風に、目標達成のための期限を明確に決める。 |
上記の5つの要素を意識すれば、「良い目標」を作りやすくなるでしょう。
さまざまなツールを試してみる
目標設定と達成を目的としたフレームワークは、SMART以外にもあります。ここでは、目標設定・達成のための5つのフレームワークについて概要を紹介します。
ベーシック法 |
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ベーシック法はもっとも基礎的な目標設定のためのフレームワークです。「向上・改善・維持・創出」の中から目標項目を決め、達成基準を明確にし、期限を定めます。さらに目標達成に向けたプランを立て、目標や目標達成のための行動をより具体化していくという方法です。 |
三点セット法 |
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三点セット法は、ベーシック法をさらに掘り下げたフレームワークです。目標には「テーマ」「達成レベル」「達成時期」の三点を設定します。 |
HARDゴール |
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HARDゴールは、心の底から達成したい、目標達成後の生き生きとした自分自身の姿をイメージできる目標を設定する方法です。HARDゴールで設定するのは困難な目標であり、目標達成のために必要な能力・スキルの明確化が必要になります。 |
ベンチマーク法 |
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ベンチマーク法は、目標設定の際に、ある対象を基準(ベンチマーク)とするフレームワークです。競合他社やライバルなど、基準となる相手を追い越すことを目指します。 |
目標達成シート(マンダラート) |
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目標達成シートは、目標達成のための方法やアイデア、課題などを見つけるためのフレームワークです。3行3列のマスを9個(合計81マス)作成し、中心のマスに目標を書きます。そして目標達成のための行動や方法論を展開することで、数多くのアイデアを考え出すことができます。 |
目標設定・達成のために考案されたフレームワークは、ここで紹介したものだけではありません。人や目標によって向き不向きもあるため、さまざまなフレームワークやツールを試してみてください。
人と共有する
目標達成のためには、目標を人と共有することがおすすめです。「他者からどう思われているのかを気にする」という緊張感は、行動する上での大きなモチベーションになります。また、目標達成のための前向きな義務感を維持するために、他者との緊張感は有効です。
自分との約束を守ることは大変ですが、他者との約束であれば「きちんとやらなければ」と思える人もいるのではないでしょうか。例えば、定期的にパーソナルトレーナーを付けたり、近い目標を持った人々のコミュニティに参加したりして、目標を人と共有してみてください。
定期的に振り返り見直す
目標は、定期的に振り返って見直すことが必要です。
仕事や身の回りの環境、自身の考え方などが変わった場合、最初に設定した目標にメリットを感じなくなったり、目標を達成する必要がなくなったりすることも考えられます。定期的に目標や行動計画を見直し、目標や計画の軌道修正を行いましょう。こうすることで、期限になって「今回も目標達成できなかった」と自己嫌悪に陥る可能性も下げられます。
まとめ
モチベーション維持や効率化のために目標設定は有効です。良い目標の特徴として、行動の先にあるなりたい姿などの指針が示されています。目標を立てる際は、指針を決めた上で、具体的な行動を考え、さらに細分化していく方法がおすすめです。
目標は立てるだけではなく、達成に向けて実際に行動することが必要です。目標設定の方法は多岐にわたるため、自分に合った方法を見つけて、人と共有したり振り返りを行ったりしながら、達成に向けて取り組みましょう。