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組織成長を促進したいと考えている企業経営者や人事担当者の方にとって、ビジョンや企業理念の策定・浸透、従業員との結びつきを高めることは大切です。
当記事では、組織成長を促進するためのポイントを具体的に説明します。ドラッカーの組織論をはじめとした組織の概念や、組織の成長に欠かせない管理職の育成についても分かりやすく解説しています。組織成長を効率よく促進するために、従業員の満足度を上げたいと考えている方や、ビジョンや企業理念をもっと浸透させたいと考えている方はぜひご参考ください。
組織とは?
組織とは、目的達成のために構成したシステムのことをいいます。一般的な定義として、目的を達成するためにそれぞれの役割を持つ個人やチームが構成されている団体であるとしています。
組織は働く人々のことを指してはいません。組織から離脱する、新メンバーが加わるなど人が入れ替わったとしても同じ組織であることに変わりありません。組織とは、団体を構成するシステムそのものです。
また、組織は単に群れることではありません。同じビジョンを掲げ、その達成に向けて個人の持つ役割を果たすことで組織として成立します。
ドラッカーの組織論とは
「経営学の父」「マネジメントの権威」などと呼ばれたピーター・ドラッカーは、以下で取り上げる3つの役割が組織に必要であると提唱しています。
1.自らの組織に特有の目的と使命を果たす |
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独自性を追求し、自社にしかない商品やサービスを提供すること |
2.仕事を生産的なものにして、働く人々に成果を上げさせる |
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自分が働くことで、会社の役に立っていると達成感や存在意義を従業員に持たせること |
3.自らが社会に与える影響を処理し、社会的な貢献を行う |
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商品やサービスを生み出すだけでなく、そこで生じる廃棄物についても自分たちで処理をすること |
ドラッカーは、株主のためではなく社会のための企業であり、社会に求められる活動をすることが重要であると考えています。
【企業向け】組織成長を促進するためのポイント
組織成長を促進するためには、従業員エンゲージメントの高さが重要です。
従業員エンゲージメントとは、企業に対する従業員の関わりや企業と従業員双方の結びつきのことをいいます。従業員エンゲージメントが高ければ、従業員が働きがいを感じて自発的に行動します。
厚生労働省が企業で勤める従業員にアンケートを行ったところ、「働きがいがある」と回答したグループの96.2%が「仕事に対する意欲が高い」「仕事に対する意欲はどちらかといえば高い」と回答しました。一方で、「働きがいがない」と答えたグループでは、「仕事に対する意欲が高い」「仕事に対する意欲はどちらかといえば高い」と答えた人はわずか19.2%しかいませんでした。
出典:厚生労働省職業安定局 雇用開発部雇用開発企画課「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」
業績を向上させるためには、従業員一人ひとりのパフォーマンスが重要です。従って、従業員エンゲージメントをいかに高められるかが鍵となります。
ここでは、組織成長を促進し、組織活性化を図るための具体的なポイントについて紹介します。
ビジョンや企業理念を策定・浸透させる
ビジョンや企業理念が従業員の間にも浸透すると、以下のメリットが得られます。
- 共通した目標を持てるため、効率的に働ける
- 判断に迷ったときビジョンや企業理念が明確であれば、従業員同士でコミュニケーションを取りながらどう行動すればよいかを導き出せる
- 仕事に対する意味を見出せるため、モチベーションが向上して維持される
- 従業員の行動が明確なビジョンの下統一され、企業のイメージアップにつながる
実際にビジョンや企業理念を浸透させるための流れは以下の通りです。
(1)理解させる
社内報や朝礼でビジョンをこまめに伝えたり、経営陣が直接メッセージで伝えたりする
(2)共感を得る
ただビジョンを伝えるのではなく、そこに込められた思いやどのようなストーリーがあったのかを発信する
(3)共感した内容に沿って行動を促す
企業が求める行動を伝えたり人事評価を実施したりして、実際の業務に落とし込む
従業員に繰り返し発信し、ビジョンや企業理念に基づく行動を習慣化させることが大切です。
経営方針を策定・浸透させる
経営方針の策定・浸透により、次のメリットが得られます。
- 企業理念やビジョンを実現できる
- 求める人材を確保できる
- 従業員一人ひとりが成長を実感できる
経営方針を作成する際は、「消費者(取引先)・商品(サービス)・従業員・企業・地域」に対する姿勢を明確にしましょう。
主な実践方法は、従業員に経営方針を徹底させることです。朝礼や研修などで経営方針を繰り返し伝え続け、経営方針に沿った行動を促します。また、定期的に人事評価を取り入れると、企業の求める人材と個人の行動にズレが生じることを防げるでしょう。
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最適な組織構造を作る
組織構造が最適であり、従業員一人ひとりが個人の特性や能力に合った組織に配置されると、能力を十分に発揮できるため働きがいにつながります。
組織構造にはいくつかの種類がありますが、ここでは以下3つを紹介します。
(1)職能別組織
- 業務ごとに部署をまとめて、幹部が部署を統括する
- 業務の専門性と効率性が向上する一方で、各部署での連携がとりづらいことがある
(2)事業部制組織
- 事業内容ごとに事業部を作り、さらに担当を細かく分ける
- 意思決定をすばやく行えるため急速な変化に対応できる一方、事業部以外での交流がとりづらいことがある
(3)チーム制組織
- 必要な人材を集めてチームを作る
- 市場の変化に対応しやすく、革新的なアイデアも生まれやすい一方、誰が指示しているかが分かりづらいことがある
従業員が働きがいを感じて意欲的に仕事をしていれば、組織構造は適切と言えます。
人材育成・人事評価制度を整備する
業績を向上させるためには、従業員の能力を高めることが不可欠です。人材育成によって従業員の能力を高め、学ぶための環境を整えることで自らの成長性を感じ、働く意欲を向上させます。
以下では、人材育成のための4つの方法を紹介します。
(1)OJT
管理者や先輩が実践を通して指導・助言を行う
(2)Off-JT
講師を招待した研修や、グループディスカッション・ロールプレイングを取り入れた研修を行う
(3)SD
書籍やセミナーの受講などから、自分で学ぶ
(4)eラーニング
インターネットを利用した学習を行う
人材育成に加えて、人事評価制度を整えることも大切です。人事評価制度は、企業理念やビジョンを浸透させることや、個人の能力を把握して最適な人材配置をしたり、評価によって従業員のモチベーションを向上させたりする役割があります。
人事評価制度を導入するためには、以下の3つに注意しましょう。
・評価項目は必要最低限にする
人事評価の運用に手間がかかると評価者の業務負担になり、本来の目的を見失う可能性がある
・定期的に評価内容を見直す
それぞれの役割に必要なスキルが異なるため、事業の拡大や業務内容の変更に合わせて定期的に見直しを図る
・評価のガイドラインを作成する
公平性に欠けた評価は従業員の信頼を損なってしまうため、あらかじめ評価基準を作成し、評価者に周知する
ただ人事評価制度を取り入れるのではなく、企業にとって有益な取り組みになるように事前に検討することが大切です。
組織の成長には「管理職育成」も重要
管理職には、企業理念やビジョンを浸透させて経営方針に沿った最適な組織を維持するため、組織マネジメントの役割があります。そのため、組織を成長させるためには管理職のマネジメント力の育成が重要です。
以下では、管理職育成のためのポイントを3つ紹介します。
(1)管理職のサポート体制を構築する
コーチングやマネジメント、オンライン研修を受けることで必要なスキルや知識を身につける
(2)管理職に求める役割を明確にする
管理職に求める立場を経営陣が明確にすることで、実際の業務とのズレをなくす
(3)自分自身を振り返らせる
経営陣や管理者から定期的にフィードバックを受けて、管理職としての改善点や成長したところを認識する
組織には部下をマネジメントするための管理職が必要です。ただ、管理職の経験がない場合は、どのように役割を果たせばよいか分からないことがあるでしょう。管理職のあるべき姿を明確にすることで、最適な組織の構築につながります。
まとめ
組織とは、目的達成のためにそれぞれの役割を持つ個人やチームで構成されている団体のことを言います。組織成長を促進するためのポイントには「ビジョン、企業理念、経営方針などの策定・浸透」「最適な組織構造の構築」「人材育成・人事評価制度の整備」などがあります。経営方針に合った最適な組織を維持するために、管理職のマネジメント力育成にも力を入れるとよいでしょう。
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