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長寿企業と呼ばれる企業にはさまざまな特徴があり、明確な経営理念や革新的な発想を持つほか、社員を大切にし、地域貢献をしている点などが挙げられます。自社を存続・発展させるためには、後継者育成を計画的に行い、顧客との信頼関係を築くのが大切です。
当記事では、長寿企業の特徴6つと、自社を長寿企業にするためのポイントを詳しく紹介します。長寿企業の特徴を把握して、自社の成長に役立てたい人はぜひ参考にしてください。
長寿企業の特徴は?
日本は長寿企業が多く、海外の国々からも「日本企業は長生き」と言われています。日本で創業数百年の企業として挙げられるのは、松井建設株式会社や住友金属鉱山株式会社、養命酒製造株式会社などです。業種別に見ると、製造業や小売業、卸売業の会社が長寿企業になりやすい傾向にあります。
日本の長寿企業にはさまざまな共通点があります。長寿企業の共通点を探り、自社に反映させれば、自社を末永く発展させるための足がかりになるでしょう。
ここでは、日本の長寿企業に共通する特徴を紹介します。
経営理念を持っている
多くの長寿企業には、世代を超えて受け継がれる理念があります。例えば、経営理念は企業の活動方針を明文化したものです。具体的には、企業の理想像や、事業経営において守るべき行動・精神の方向性などを表しています。
経営理念は定めるだけではなく、全社員で共有するのが大切です。経営理念が全社員に浸透することで、企業全体が同じ方向に進みやすくなり、生産性の向上につながります。経営理念に感銘を受けた社員が入社してくれれば、よりよい企業として発展しやすくなるでしょう。明確な経営理念と、理念に基づいた共通の信念を持つ社員たちの存在が、企業を長く発展させる要素の1つです。
不易流行を大切にしている
「不易流行」という言葉は、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が提唱した俳諧の理念からきています。「不易」はいつまでも変わらないもの、「流行」は時代に応じて変化するものを指す言葉です。「不易」と「流行」は相反するものに見えますが、根本は1つだとされています。
ビジネスや学問・文化などさまざまな面において、「不易」だけでは世の中の価値観に合わず廃れてしまい、「流行」だけでは世の中に合わせすぎてすぐに忘れられます。しかし、「不易」があればいつの世でも確固たる地位を確立することが、「流行」があればいつの世でも受け入れてもらうことが可能です。そのため、「不易」と「流行」をバランスよく両立させている企業が長生きしやすいと言われています。
革新的な発想を持つ
最近「イノベーション」という言葉をよく聞くようになった人も多いのではないでしょうか。イノベーションとは、革新的なものや考え方、仕組みなどによって、これまでの常識では考えられなかった新しい価値を創造することです。
例えば、インターネットが普及する前は、離れた場所にいる人との連絡手段は電話か手紙しかありませんでした。しかし、インターネットの登場によって遠くの人とも気軽に連絡を取り合えるようになり、社会は大きく変わりました。イノベーションの観点で見ると、インターネットこそが革新的な発想の賜物と言えるでしょう。
長寿企業が作り出しているものの中には、今でこそ常識となっていますが、スタート当時は常識外れだったものも多くあります。常識を疑い、顧客が求めていることを追求・実行する姿勢が、企業を発展させる秘訣の1つです。
社員を大切にする
人材を大切にするのも、長寿企業に共通する特徴の1つです。企業は社員の集合体であり、社員一人ひとりには意思があります。そのため、ロボットのように全員を同じ方向に向かせ、従わせるのは無理な話です。
社員が会社に定着し、日々会社や業務に愛着を持って働いてくれるかは、企業が社員の働きやすさや働きがいに気を配れているかにかかっています。社員が会社や業務に愛着を持ってくれれば、顧客にも伝わり、企業のファンが増えるきっかけにもなるでしょう。
企業の長期運営を目指すには、社員一人ひとりの幸せを思い、教育体制や福利厚生に手を抜かない姿勢が大切です。
地域貢献をしている
日本では古来から、「売り手によし、買い手によし、世間によし」という「三方よし」の精神があります。売り手や買い手にとってはもちろん、世間、つまり社会にとってもよい商売をするべきという考え方です。
「企業は社会的責任を果たすべきだ」という考えは、今でも日本国内に根付いています。長く続いている老舗企業の多くは社会的責任を果たすことを前提に据えており、地域貢献を盛んに行っています。
地域貢献とは、事業を通じて地域に貢献することです。ボランティアというのは永続的ではないので、利益をうみそれが地域に還元される事業の構築が必要不可欠になります。その結果地域に必要とされ、長年愛される企業となるのです。
成長意欲が強い
長寿企業に共通する特徴の1つが「しなやかさ」です。成長意欲が高く、素直に学び続けて、よいと思ったものを柔軟に取り入れる姿勢が、企業を長く発展させるポイントと言えるでしょう。
企業の成長意欲が強い例には、今ある商品・サービスの改善点を探し、改良を重ねることが挙げられます。ただし、長く愛されている商品・サービスをがらりと変えるのは、顧客側が受け入れ難くなるリスクがあります。守るべき部分は守り続け、変えるべきところは時代や顧客の変化に合わせて改良するのが、企業や商品・サービスが長く愛される秘訣です。
自社を長寿企業にするためのポイント
自社を成長させ、長寿企業にするには、将来を見越して経営を行うことが必要です。企業を長く発展させるには、以下3つのポイントを踏まえましょう。
- 後継者育成を計画的に行う
- リスクに備えておく
- 顧客との信頼関係を築く
ここでは、上記のポイントについて詳しく解説します。
後継者育成を計画的に行う
経営トップ1人の努力だけでは、企業を長く存続させられません。自社を長寿企業にするためには、先代の意思を継ぐ後継者を育成し、いずれは経営をバトンタッチする必要があります。事業承継を成功させるには、長期的視点をもって早い段階で後継者選びを行い、育成するのが大切です。それと同時に管理職を育成することも必須です。
後継者育成の方法の1つに「研修」が挙げられます。後継者候補に管理職研修やマネジメント研修などを受けてもらうことで、必要な知識や企業に必要不可欠な人材を育てていく方法を身に付ける機会となります。企業全体としての生産性向上を図るには、企業内教育も重要と言えます。研修を通して社員に実践的な経験を積んでもらうことで、効率的・効果的にノウハウを継承できるでしょう。
リスクに備えておく
企業にはさまざまなリスクが存在します。経営戦略の失敗、経営難、経営者や従業員の不祥事、自然災害や人為的な事故など、リスクの種類は多種多様です。自社を長続きさせるために、企業は日々のリスクのみならず、突発的に生じる大きなリスクにも備えなければなりません。
対策はリスクの種類によって異なりますが、多くのリスクに共通して行われるものもあります。例えば、現場マニュアルの策定および遵守の徹底、自然災害を想定したリスク分散、情報セキュリティーポリシーの策定などです。
すべてのリスクを完璧に防ぐのは難しいものの、一つひとつのリスクを適切に管理することでリスクによる損失の回避あるいは軽減が望めます。
顧客との信頼関係を築く
長く続く企業は、顧客との信頼関係が築けている場合が多いです。顧客との信頼関係を築くには、相手が喜ぶことは何かを意識しながら動くのが前提となります。例えば、顧客の悩みを先読みして動くことで、企業は顧客の期待を上回る結果が出せます。継続的に顧客に寄り添うことで、顧客が「あの企業なら信頼できる」と思ってくれる確率が上がるでしょう。
商品・サービスの品質や納期など、厳守すべき約束を守ることも顧客との信頼関係の確立につながります。ですので、社員に自社のブランドに共感してもらい、想いにそった行動ができるように教育することが何よりも重要なのです。
まとめ
長寿企業の特徴には「経営理念を持っている」「不易流行を大切にしている」「革新的な発想を持つ」などが挙げられます。自社を長寿企業にするには、後継者や社員の育成を長期的に行うほか、顧客との信頼関係を築くのが大切です。ほかにも、経営戦略の失敗や経営難といったさまざまなリスクに備え、現場マニュアルの策定および遵守の徹底を図りましょう。
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