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コーポレートアイデンティティ(CI)とは?策定のメリットや事例も

2023/04/13(最終更新日:2023/07/04)

#アウターブランディング #インナーブランディング #ブランド構築

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コーポレートアイデンティティ(CI)とは?策定のメリットや事例も

コーポレートアイデンティティとは、企業戦略の一種であり、企業の独自性などを打ち出す際に考案します。コーポレートアイデンティティにはさまざまな要素が含まれているため、全体像がつかめない・どのように作成するとよいか分からないという方もいるでしょう。

この記事ではコーポレートアイデンティティの概要から、持つメリット、作り方、具体例までを詳しく解説します。VI・BI・MI・XIなどの関連用語との違いにも触れるため、ぜひ参考にしてください。

コーポレートアイデンティティ(CI)とは?

コーポレートアイデンティティとは、独自の価値や特色を打ち出すための企業戦略を意味します。広い意味では企業の歴史の中で培った独自性を整理して理想の未来を築くための経営計画を立て、関係者に共有する取り組みも、コーポレートアイデンティティの一種です。

コーポレートアイデンティティは「CI」とも略され、日本では、1980年代に流行しました。以下は、コーポレートアイデンティティの代表的な構成要素を示します。

コーポレートアイデンティティの主な構成要素

  • 企業名
  • ブランド名
  • 企業ロゴ
  • 企業理念
  • ビジョン

上記の他には企業文化や社員の行動も、コーポレートアイデンティティの構成要素にあたります。

VI・BI・MI・XIとの違い

VI・BI・MI・XIはいずれも、コーポレートアイデンティティの構成要素に含まれる概念です。以下は、各概念の定義を示します。

VI(ビジュアルアイデンティティ)
  • 企業理念、ビジョンなどを可視化したもの
  • 企業ロゴ、シンボルマークなどの総称
BI(ビヘイビアアイデンティティ)
  • 企業理念、ビジョンなどを達成するために必要な社員の行動規範
  • クレド、コミュニケーション指針などの総称
MI(マインドアイデンティティ)
  • 企業の価値、存在意義、目指すべき理想の姿などを言語化したもの
  • 企業理念、ビジョン、ミッションなどの総称
XI(エクスペリエンスアイデンティティ)
  • あらゆる接点において顧客体験を統一化するためのルールやガイドライン
  • 商品やサービスの付加価値を高めるために必要な概念

効果的なコーポレートアイデンティティを設計するためには、VI・BI・MI・XIとの統一性を意識する必要があります。統一性を意識して設計されたコーポレートアイデンティティは経営戦略の軸として機能し、時代や市場が変化しても引き継がれるDNAとして、長く活用できるでしょう。

コーポレートアイデンティティを持つメリット

そもそもコーポレートアイデンティティは普遍的な企業の価値やビジネス活動の方向性を関係者と共有し、関係性を強化する目的で設計します。

コーポレートアイデンティティの設計には一定の時間と労力を要するものの、以下のメリットが期待されることを前提として、前向きに取り組みましょう。

企業価値の向上につながる

効果的なコーポレートアイデンティティが設計されている企業には、理念やビジョンに共感する強力なファンが付きます。強力なファンは企業の存在価値を認め、価値観に基づくビジネス展開をサポートしてくれる存在です。ファンのサポートを受けて自社の商品やサービスのブランド力を高めていけば、企業価値の向上を図れます。

また、効果的なコーポレートアイデンティティを設計して企業価値を向上させることは、金融機関や株主からの評価を高めるための重要な一手です。企業価値が向上するほど金融機関などから信頼されやすくなり、資金調達を円滑化できる可能性があります。

競合他社との差別化ができる

コーポレートアイデンティティの一環として企業ロゴやスローガンを社会に広く認知させると、競合他社と差別化できます。差別化とは競合他社の商品やサービスと自社のものとの違いを強く意識させ、優位性を印象付ける戦略です。コーポレートアイデンティティによる差別化が進むと価格競争から抜け出し、自社の考える適正価格・品質で、ビジネスを展開できます。

また、競合他社との差別化は、新規顧客の獲得やシェア拡大につながる要素です。差別化によって確固たる地位を確立すると新規顧客の獲得難易度が下がり、利益の出やすい体制を構築できます。

社員のエンゲージメント向上が期待できる

コーポレートアイデンティティを設計する際にはBIを検討し、社員に対する働きかけも行います。BIを通じて社員一人ひとりが自分自身の役割を強く意識し、組織の考え方や企業哲学に沿った行動を取るようになると、エンゲージメントの向上を図ることが可能です。

エンゲージメントとは、従業員と企業との精神的な結びつきを意味します。エンゲージメントの高い社員は企業の価値をより向上させるために生き生きと働いてくれる、重要性の高い資産です。

また、社員のエンゲージメントが向上すると、離職率の低下も図れます。結果として経営が安定し、企業としてより成長するための基礎力が高まるでしょう。

コーポレートアイデンティティの作り方

効果的なコーポレートアイデンティティを設計するためには経営者や経営部門自ら企業方針や将来展望を見直し、「自社らしさ」を把握します。そして、アンケート調査や1on1ミーティングを通じて従業員からも、企業固有の価値や社会的な使命に関する意見を収集しましょう。

以下は、明確化した「自社らしさ」をもとにコーポレートアイデンティティを設計する際のステップです。

1 企業理念やビジョンを言語化する
2 企業理念やビジョンを基軸に置きつつ、従業員の行動規範を設定する
3 コーポレートカラーを踏まえて、企業ロゴやシンボルマークを考案する
4 顧客との接点を洗い出し、XIを設計する
5 MI・BI・VI・XIとの一貫性を意識しつつ、コーポレートアイデンティティを設計する

企業ロゴやシンボルマークを考案する際にも「自社らしさ」を意識し、フォントや色味を検討します。デザインの知識を持つ人材がいない場合は専門家のサポートも受けつつ、企業の想いが反映されたVIを考案しましょう。

インナーブランディングを行うことも大切

コーポレートアイデンティティを十分に機能させるためにはインナーブランディングを行うことも大切です。インナーブランディングとは、自社の社員に対して企業理念やビジョンなどを深く理解してもらうために実施する施策を意味します。

以下は、インナーブランディングの実施方法の具体例です。

インナーブランディング施策の具体例

  • 社内報の定期発行
  • 社内研修の実施
  • クレドカードの配布

クレドカードとは、社員の行動規範や企業理念などを記載したカードです。コンパクトなサイズのクレドカードを配布し、常に携帯させることにより、社員の意識改革を促せます。

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コーポレートアイデンティティの具体例

コーポレートアイデンティティは一旦設計すると変更が難しいため、計画的に作る必要があります。これからコーポレートアイデンティティを設計する場合は他社の事例から、自社に生かせるヒントを得るとよいでしょう。

以下ではコーポレートアイデンティティを効果的に活用している2社の事例を紹介します。

ファーストリテイリング
ファーストリテイリングでは「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」のステートメントを基軸として、ミッション・バリュー・行動規範を定めています。結果として、国内外に多数の店舗を構える有名企業へと成長しました。
環境のミカタ
環境のミカタは地域課題や環境問題に対して「できることはもっとある」と考え、ビジネスを通じた社会貢献をMIに掲げる企業です。MIに沿ったロゴ・ホームページ・CMを作成し、継続的な訴求を行ったことで、ブランドイメージの向上・認知度拡大・新卒採用の円滑化などの成果につながりました。

自社にとって最適なコーポレートアイデンティティは当然ながら、企業ごとに異なります。事例を参考にしつつも自社らしさを強く意識し、設計を進めることが、効果的なコーポレートアイデンティティを作るコツです。

まとめ

コーポレートアイデンティティは、企業の独自性を軸に経営戦略を立てることであり、構成要素は企業名やブランドロゴ、従業員の行動指針など多岐にわたります。コーポレートアイデンティティを持つことには、企業価値の向上や他社との差別化、従業員のエンゲージメント向上などさまざまなメリットがあります。MI・BI・VI・XIに加え、インナーブランディングも考慮しながら戦略を立てましょう。

自社の独自性や強みを再確認し、戦略に生かす際はブランディングの視点も重要です。無料のセミナーもあるため、ぜひご参加ください。

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