コーチング・マネジメントとは?マネジメントとの違いやメリット・デメリットを解説
2023/09/26(最終更新日:2023/10/22)
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組織内の個人やチームのパフォーマンスを高めることは、組織の活性化には欠かせません。
コーチング・マネジメントは、組織や個人の成果を最大化するためにコーチングの手法を組織やマネジメントに利用するアプローチです。
組織内においてマネージャーやリーダーは、コーチングの手法をうまく使って部下やチームメンバーとのコミュニケーションをとっていきます。
コーチングの手法を組織の中で利用し、リーダーシップやマネジメントのスキル向上を目指すことで、チーム全体のパフォーマンスをあげられるでしょう。
ここでは、コーチング・マネジメントについてメリット・デメリットなどいろいろな側面から見ていきましょう。
コーチングとマネジメント
コーチングとマネジメントは、それぞれに別の目的を持っています。そのため、アプローチの仕方などに違いがあります。
マネジメントは、所属する組織が与えられた目標を達成するために行うものです。達成度合を高めるための効率的な業務遂行も目的の1つになります。
一方、コーチングは、部下やチームメンバーが成長し高いパフォーマンスを実現することが目的です。
そのため、お互いにコミュニケーションをとり、相手の自己理解や能力開発を促します。その結果として、目標達成や自己成長があります。
また、それぞれがどこに注目しているかも違いの1つです。マネジメントでは、タスクの計画の仕方・組織の組み方・指示の出し方・評価の仕方などのプロセスに注目します。
一方、コーチングにおいて注目するのは、相手とどのような信頼関係を結び、相手の視点や意識をどうやって高めていくかです。
コーチング
コーチングは、個人のパフォーマンス向上・目標達成・リーダーシップスキルの向上など個人の能力に対してアプローチをする手法です。
個人の潜在能力は、自分が理解して伸ばそうという意識を持っていなければ発揮することができません。コーチングによって潜在能力を引き出し、目標達成や成長を促進します。
コーチングは、対話や質問を通じて個人を支援するプロセスです。
個人の能力が向上すると、チームや会社といった組織のパフォーマンスが向上し、組織として掲げている目標の達成に貢献できます。
マネージャーが部下に対してコーチングを行うことは、チームや会社に大きく貢献するでしょう。
マネージャーは部下とコミュケーションを取りながら、具体的な目標を設定し、そのためのアクションプランを作成します。
同時に、対話を通じて部下の洞察力や自己意識を高めて、これまでとは異なる視点やソリューションを見つけだすサポートをします。
マネジメント
マネジメントは、組織やチームの目標を達成するために、リソースや人材を計画的に配置し、指導と管理を行うプロセスです。
マネジメントは、与えられた目標を達成するために、組織の効率・効果を最大化させます。そして、目標達成に向けて業務を調整・監督する役割を担います。
最初に行うのは、組織やチームの目標を明確に定義して、達成するための戦略を策定することです。
そのためには、メンバーにどのような適性があるかを見極め、適切なリソースを割り当てることが求められます。
また、タスクやプロジェクト進行の管理・目標達成に向けてのメンバーへの指導も重要です。
マネジメントにおいてリソース管理は、組織が成功するポイントになる1つです。
現在使える組織のリソースを把握し、いかに効率的に活用するかを考えていきます。
リソースの配分を行う上でポイントとなるのは、チームメンバー個人の潜在能力も含めた力量です。
マネージャーは、部下やチームメンバーを指導し管理しつつ、彼らのパフォーマンスを最大化させます。
コーチング・マネジメントとは?
コーチング・マネジメントは、コーチングの原則と手法をチームや会社などの組織におけるマネジメントに適用するアプローチです。
コーチングを取り入れることによって、チームや個人の成果を最大化させ、リーダーシップやマネジメントスキルを向上させることを目的としています。
マネージャーは、コーチングの手法を使いながら、部下やチームメンバーと対話を通じて関係性を構築します。
その上で、目標設定・能力開発・パフォーマンス向上などをサポートします。
具体的なアプローチや手法は状況などによってさまざまです。
コーチングの手法をマネジメントに取り入れることで、部下やチームメンバーとの対話がスムーズになり、リーダーシップを高められます。
また、マネージャーがコーチングの手法を活用することで、個人の目標設定やフィードバックを円滑に行うことができます。
これによって能力開発や成長支援に繋がることが期待でき、最終的にはパフォーマンスの向上が見込めるでしょう。
このように、マネジメントにコーチングを活かす手法には、さまざまなメリットがあります。
もちろん、デメリットや活かせない場面もありますが、これらについては下記の別章にてご説明します。
従来のマネジメントとの違い
コーチング・マネジメントと従来のマネジメントでは、そもそもアプローチの仕方が異なります。
従来のマネジメントでは、組織の目標に合わせて的確な指示を出し、それに基づいてタスクやプロセスを管理します。
ここで重点的にみるポイントは、結果や成果です。
しかし、コーチング・マネジメントでは最終的な結果も大切ですが、重点的に見るのは部下やチームメンバーの能力開発や自己成長です。
コーチング・マネジメントでは、部下やチームメンバー自身が目標を設定し、自分自身解決する能力を鍛えます。
そのため、従来のマネジメントでは、マネージャーが指導者や決定者の役割を担っていましたが、コーチング・マネジメントではそうではありません。
マネージャーがコーチとしての役割を果たしますので、単に指示を出すのではなく、部下やチームメンバーと協力して目標を設定します。
コーチング・マネジメントでは、マネージャーと部下やチームメンバーとの信頼関係が重要視されます。
これによって変わってくるのが、パフォーマンス評価に関する部分です。
従来のマネジメントでは、パフォーマンス評価は主に結果や成果に基づいて行われていました。
しかしコーチング・マネジメントでは、目標設定・成長プロセス・能力開発の進捗などを総合的に評価します。
常にコミュニケーションを取りながら業務を進めていきますので、問題が発生した場合の解決へのアプローチも異なってきます。
従来のマネジメントでは、問題が発生した場合は、マネージャーが解決策を考えて指示を出します。
一方、コーチング・マネジメントでは、すぐに答えを教えるようなことはありません。
部下やチームメンバーの自己啓発を促したり、洞察力を引き出すなどして、問題解決のプロセスに本人を参加させます。
このように従来のマネジメントとコーチング・マネジメントは全く異なるアプローチです。
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コーチング・マネジメントのメリット
コーチング・マネジメントでは、従来のマネジメントとは大きく異なるアプローチをすることになります。
最も異なるのが、コミュニケーションや対話を重視するという点です。
マネージャーは部下やチームメンバーと積極的にコミュニケーションを取ります。ことあるごとにさまざまな質問をし、状況を聴取していきます。
その中で活用するのは、部下やチームメンバーの感情や状況に対しての理解を深め、共感を示すスキルです。
また、相手の自己探求や自己成長を促すため、適切な質問を投げかけて部下やチームメンバーの自己解決のプロセスをサポートします。
具体的なフィードバックを提供して、成果を評価するだけでなく、成長のためのアクションプランを一緒に策定します。
このように、コーチング・マネジメントのアプローチはこれまでのアプローチとは異なるため、慣れないことも少なくありません。
しかし、それ以上に大きなメリットを得ることができます。では、どのようなメリットがあるのでしょうか。
部下の主体性が育つ
コーチング・マネジメントでまず行うのは、部下やチームメンバーとの目標の共有です。
単に目標を提示するのではなく、一緒に目標を設定しアクションプランを策定します。
このプロセスを通ることで目標がより明確になるだけでなく、目標に共感し、達成するためのプロセスに責任を持つことができます。
部下やチームメンバーが自分で目標を決め、取り組み方を選ぶことによって主体性が育つことは、コーチング・マネジメントの大きなメリットです。
また、部下やチームメンバーの主体性が育つ環境がもう1つあります。
コーチング・マネジメントの一環で、マネージャーが部下やチームメンバーに必要な資源やサポートを提供するという環境です。
目標を達成するために必要な情報・ツール・トレーニングなどがあります。
あとは、部下やチームメンバー自身が、提供されたこれらを活かして自力で課題解決に取り組むだけです。ここで、部下やチームメンバーの主体性が培われます。
部下のモチベーションが上がる
コーチング・マネジメントでは、部下やチームメンバーと一緒になって目標を設定し、どのように実行していくかのプラン策定をおこないます。
これによって自分自身が積極的に関与しているという意識を持ちますので、モチベーションがアップします。
また、アクションプランについての理解度が高いので、途中までの過程や進捗度合いが共有されることで達成感を得られるのも大きな要因です。
部下やチームメンバーのモチベーションを上げる要因として、成果に対する評価があります。コーチング・マネジメントにおける重要な要素の1つが、成果の適切な評価と認知です。
マネージャーは部下に対して、その成果を適切に評価しフィードバックをすることで評価を認知させます。
部下やチームメンバーは、自分の成果が評価という形で可視化されることで、達成感や誇りを感じることができ、モチベーションが向上します。
一人一人の強みや個性を活かせる
コーチング・マネジメントでは、マネージャーが全体的に目標などを提示するのではなく、それぞれの部下やチームメンバーとの対話を通して話を進めていきます。
各々の関心やニーズを把握し強みや個性を理解した上で、それに基づいて個人の成長や発展に対するサポートを提供します。
そのため、各々の個性を潰さずに独自の能力を最大限に引き出すことができます。
また、コーチング・マネジメントでは、成果の多様性にも着目しています。
部下やチームメンバーが自分自身の強みや個性を活かすと現れてくるのが、チームや組織全体の成果の多様性です。
これは、異なる視点やアプローチが組み合わさることで生まれます。
様々な方向性をもって生まれた成果を、均一性のみ気にしてならしてしまうことなく、独自性を尊重しながら認め合うことが必要です。
チームワークが強化される
コーチング・マネジメントでは、チームメンバー内で目標やビジョンの共有が図られます。
これは、コーチング・マネジメントを行う上で非常に重要視されることです。
マネージャーはチームメンバーとのコミュニケーションを通じて、彼らを目標設定やビジョンの策定に参加させ、チーム全体に一体感が生まれるようにします。
そのためには、マネージャーがチームメンバーとのコミュニケーションを重視し、積極的な対話を促すことが重要です。
これによって、チームメンバー間の信頼関係が構築され、オープンなコミュニケーションが行われる環境が生まれます。
また、積極的なコミュニケーションは、チームメンバー自身が自分の役割を把握し他のメンバーとの連携を意識することへとつながります。
このように、コーチング・マネジメントのメリットを最大限活用するためには、正しい知識と理解が必要不可欠です。
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コーチング・マネジメントのデメリット
コーチング・マネジメントにおけるメリットが、従来のマネジメントと比べて多いと感じる方は少なくないでしょう。
しかし、必ずしもメリットだけが突出しているわけではなく、いくつかのデメリットもあります。
最も高い壁になりうるのは、組織文化との整合性です。
コーチング・マネジメントは、組織全体に浸透させなければ、大きな効果を生み出すことができません。
しかし、これまでの会社や組織の歴史・文化・価値観といった部分との整合性を図るのはとても難しいことです。
伝統的なマネジメントスタイルに慣れ親しんでいる場合には、コーチング・マネジメントの導入は大きな変革を伴います。
これ以外にも、下記でご紹介するようないくつかのデメリットがあります。
成果が出るまでに時間がかかる
コーチング・マネジメントは、多くの時間とエネルギーを要するプロセスです。
部下やチームメンバーと個別に対話しなければなりませんので、マネージャーは事前に十分な時間とリソースを確保しなければなりません。
こういったマネジメントにかかる時間は、通常の業務を圧迫してしまいます。
また、コーチング・マネジメントを新しい取り組みと考える組織もあります。
そのため、その手法に慣れるまでに時間がかかり、結果として成果が出るまでの期間が延びてしまうのです。
こういった理由から、成果が出るまでに時間がかかってしまうというデメリットがあります。
一度に多数の対象者を把握しきれない
コーチング・マネジメントでは、部下やチームメンバーそれぞれと深い対話をおこない、自己探求を促します。
一部の部下においては、こういったアプローチに抵抗を示す可能性があります。また、自身の問題や課題を他者と共有することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
こういったひとりひとりの個別のニーズに対応するためには、一度に多くの人を対象にすることができません。
マネージャー側のスキルにより成果に差がある
コーチング・マネジメントを効果的に実践するためには、マネージャー自身が適切なスキルと知識を持つ必要があります。
コーチングの技術はもちろんですが、質問の仕方やフィードバックについても知識と技術が必要です。
これらのスキルが不足した状態でコーチング・マネジメントをおこなっても期待するような成果を出すことはできません。
スキルの不足や適切な知識の欠如は、効果的なコーチング・マネジメントの大きな障害となります。
株式会社イマジナ代表が理事を務めるブランドマーケティング協会では、こうしたデメリットに効率よく対処する方法も含めて、少数精鋭の講座で丁寧に解説していきます。
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職場でコーチング・マネジメントが活きる場面は
コーチング・マネジメントは、チームの協力を促進する場面において結果をだすことができます。
マネージャーが部下やチームメンバーとのコミュニケーションを通じて、チーム内の相互理解や信頼関係を構築していくことでマネジメントが成り立つからです。
しかし、このような関係性の構築は誰もが期待しているとは限らず、すぐに作り上げられるわけではありません。
部下やチームメンバーがお互いをサポートし合い、共同で目標に向かって働くための環境が整うことで、ようやくチームのパフォーマンスが向上します。
では、どのような場面でコーチング・マネジメントは活きてくるのでしょうか。
緊急度は低いが重要なことを検討する場合
従来のマネジメントからコーチング・マネジメントへの変換は、組織自体を変えたりイノベーションを推進したりしなければなりません。
これには大きな労力と時間がかかってしまいます。
また、マネージャーが部下やチームメンバーとのコミュニケーションによって新たな関係性を築くにも時間がかかります。
その一方で、コーチング・マネジメントは、新しいアイデアや視点を引き出すことに適しています。また、部下やチームメンバーの意欲や創造性を高めることもできます。
そのため、コーチング・マネジメントは、緊急性は高くないがさまざまなアイデアを収集しながら方向性を定める長期的な課題などに向いています。
対象者の自立性を高めたい場合
コーチング・マネジメントでは、部下やチームメンバーとの対話を通じて目標設定・行動計画の策定・障害の克服などをサポートします。
これらは、マネージャーが一方的に支持するやり方とは大きく異なります。
そのため、部下やチームメンバーの自立性を高めたい場合には最適です。
部下が自らの能力を最大限に発揮したいと考え、目標を達成するための自己成長を促進することができるからです。
対象者を長期的に育成する場合
コーチング・マネジメントは、部下のスキル開発やキャリア成長を支援する場面で活かすことができます。
マネージャーは、最初に部下やチームメンバーと対話して、目標や個人のスキルについて把握します。
本人自身が必要なスキルを目標やフィードバックから判断して見つけていきますので、積極的なトレーニングへの意欲が高まるでしょう。
マネージャーも部下やチームメンバーとのコミュニケーションを通じて、彼らの強みや成長の機会を特定することができますので、それに基づいたトレーニングやプログラムを選択できます。
特に長期的なキャリアプランニングには最適です。
コーチング・マネジメントを使わない方がいい場面
コーチング・マネジメントは、一般的には効果的な手法だといわれていますが、使わない方がいい場合がいくつかあります。
その1つが、組織文化が合わない場合や変革を望まない場合です。
コーチング・マネジメントを活かすためには、組織全体の文化がこの手法に合っていることが大切です。
現在その環境になかった場合、組織や上司にサポートしてもらいながらコーチング・マネジメントを実行する必要があります。
逆にいえばそのようなサポートがない場合、マネージャーだけでコーチング・マネジメントを行うのは非常にリスクが高くなります。
それ以外にもいくつかの場面が考えられますので、少し例をあげてみましょう。
基礎的なことを教える場面
基礎的なことを教える場面では、コーチング・マネジメントは最適なアプローチとはいえません。
コーチング・マネジメントは、部下やチームメンバーの自己成長や問題解決能力の向上に焦点を当てた場合に有効に働くからです。
基礎的な知識やスキルを教える場合には、明確で具体的な指示が必要です。
マネージャーは部下に意見を求めるのではなく、具体的なステップや手順を示す必要があります。
また、デモンストレーションやモデリングといった、より実践的な手法で学ぶ方が効果が高いでしょう。
コーチング・マネジメントは、より高度なスキルの習得や成長のサポートをするような場面に適しています。
一度に大勢の対象者を育成する場面
一度に大勢の対象者を育成する場合は、コーチング・マネジメントの良さを発揮できない可能性があります。
コーチング・マネジメントは、自身のパフォーマンスを改善したり、成長を促したりするための手法です。
そのため、明らかな能力不足・意欲の欠如・基本的な業務遂行能力の不足といった、個人に依存する能力の違いがある場合にはうまくいきません。
このような方であれば、まずはより具体的な指導やトレーニングの方が効果的です。
短期間で結果を出すことが求められている場合
コーチング・マネジメントは時間をかけてコミュニケーションをとり、対話や成長を促進する手法です。
そのため、ある程度の時間を要することを念頭におかなければなりません。
しかし、業務上どうしても短期間で結果を求められる場合もあります。そのような場合には、端的な指示を出す必要があり、統一されたプロセスの中で迅速な指導が求められます。
このような時に対話などで時間を使うことはできません。そのため、コーチング・マネジメントには向かないケースと言えるでしょう。
コーチング・マネジメントに必要な力
コーチング・マネジメントを実践するためにもっとも必要な力は、コミュニケーションスキルです。
コーチング・マネジメントでは、良好なコミュニケーションが不可欠です。マネージャーは、部下やチームメンバーとの対話を通じて情報を共有していきます。
その上で、必要なフィードバックをおこない、次のステップへ進みます。そのために必要なのが、傾聴力・質問力です。
また、マネジメントを受ける部下やチームメンバーには、承認欲求があることが望ましいでしょう。
これについて説明します。
傾聴力
傾聴力は、相手の話に対して注意深く耳を傾け、理解しようとするスキルです。
これは単に相手の話をきくだけではなく、なぜそのような話をするのか・なぜ話すタイミングが今なのか・どのような感情、意図を持っているのかといったことを読み取ります。
これにより、相手の感情や意図を理解し、共感や信頼を築いていくことが重要です。
コーチング・マネジメントでは、部下の感情や視点に共感し、彼らの立場を理解することに注力します。
マネージャーは部下やチームメンバーの個別のニーズや関心に対応し、成長や自己啓発をサポートするために理解を示す必要があります。
質問力
コーチング・マネジメントでは、質問を通じて部下やチームメンバーの自己探求や学習を促進することになります。
その際には、どのような質問をすれば、相手が求める回答を行ってくれるかを考えます。
マネージャーは、対話の中で洞察を深めるために適切な質問を選び、実行しなければなりません。
その質問によって部下やチームメンバーが、自分自身の解決策を見つけられるように、彼らの考えを引き出す役割だからです。
承認欲求
コーチング・マネジメントを行う上で、受け手側である部下やチームメンバーに承認欲求があると、うまく進めることができます。
承認欲求は、他人から認められたり肯定されることを求める欲求です。
人は集団生活を行っていますので、承認欲求は、人の本能的な欲求の1つだといわれています。
特に社会生活においては、他者からの評価や承認を通じて自分の価値を感じることが多いでしょう。
他者の評価に大きく影響を受ける必要はありませんが、他者からの承認や称賛を受けることで自己肯定感が高められやすいのです。
これをコーチング・マネジメントにうまくあてはめて考えると、モチベーションアップにつながる可能性があります。
コーチング・マネジメントを行う際のポイント
コーチング・マネジメントを行う際には、いくつかのポイントを押さえておくと効果的です。
コーチング・マネジメントは、部下やチームメンバー個人のスキルの向上と組織のパフォーマンス向上のバランスをとって行います。
組織としてのポイントは、目標設定です。
チームメンバーと一緒に明確な目標を設定していきますが、具体的・計測可能・達成可能・現実的・時間指向性のあることが重要です。
また、コーチング・マネジメントは、部下やチームメンバーのモチベーションやパフォーマンスを向上させることが目的ですので、それぞれに着目して行うように考えていきましょう。
1:1で進める
コーチング・マネジメントでは、個人とのコミュニケーションを大切にします。また、組織的で継続的なプロセスでもあります。
そのため、定期的にフィードバックや評価を行うことが重要です。その場合は、チームメンバーと1対1のミーティングを行います。
この中で進捗レビューを行い、成果や課題を共有して理解させることがポイントです。
短期間での成果を望まず、長期的にみる
コーチング・マネジメントでは、すぐに結果を出すことができません。長期的なビジョンや目標に合わせて個人と組織の成長を促すものだからです。
そのため、短時間での成果を望まずに長期的な計画を立てることが重要です。
短期的なプロジェクトの場合はそれ自体の終了をゴールとせず、中長期の目標設定を行なった上で、1つのフェーズとして捉えるようにしましょう。
双方向のコミュニケーションを心がける
コーチング・マネジメントでは、コミュニケーションが非常に重要です。
目標1つとってみても、単に組織上で決められたことを伝達するだけでなく、部下やチームメンバーそれぞれのスキル・役割・要望などに合わせてお互いに意見交換を行い決めていきます。
そのため、マネージャーが自分の考えだけを述べるのではなく、双方向のコミュニケーションによって進めていく必要があります。
コーチング・マネジメントスキルを習得する方法
コーチング・マネジメントを実行にするにあたって、マネージャーがそのスキルを持っているかどうかは成功のカギの1つとも言える条件です。
そのため、まずコーチング・マネジメントのスキルを習得する必要があります。
では、どのようにして習得すればいいのでしょうか。いくつかの方法をあげてみましょう。
実践してみる
ある程度のコーチング経験やマネジメント経験があるのでしたら、実践をしてみることができます。
コーチング・マネジメントスキルを磨くには、実践が不可欠です。
実践していくなかで自分に足りないスキルを把握することもできますし、他のメンバーや上司からフィードバックをもらって足りないスキルを見つけることもできます。
スクールで体系的に学ぶ
コーチング・マネジメントに関する教育やトレーニングプログラムに参加することで、基礎的な知識やスキルを獲得できます。
多くのスクールでは、オンラインコース・ワークショップ・講座などを開催しており、それぞれに特徴のあるプログラムになっています。
自分のスケジュール・経験・スキル・ニーズなどに合わせて選ぶようにしましょう。株式会社イマジナ代表が理事を務めるブランドマーケティング協会が行っている講座もぜひご検討ください。
資格を取る
コーチング・マネジメントの分野には、いくつかの資格や認定プログラムがあります。
International Coach Federation (ICF) は、国際的なコーチング団体です。コーチングの倫理と基準を確立しています。
ICFの認定プログラムを修了することで、プロフェッショナルなコーチとしての資格を得られるでしょう。
コーチングアカデミーは、コーチングスキルを学ぶための独自のプログラムやコースを提供する機関です。
ここでは、コーチングの技術とフレームワークを教え、コーチングスキルを習得するための資格や認定を行っています。
それ以外にも、大学やビジネススクールで、コーチング・マネジメントに関連するプログラムや資格を取れるコースがあります。
実際にコーチングを受けてみる
コーチング・マネジメントのスキルを磨くためには、経験豊富なメンターやコーチから、実際にコーチングを受けてみることも効果的です。
これによって自分にどのようなスキルが足りないかを実感できますし、コーチからアドバイスやフィードバックをもらうことも可能です。
コーチング・マネジメントスキルは自力での習得が難しい
書籍やオンラインのリソースを活用して、独学で理論を学ぶという方法もあります。
有名な著書・記事・ブログなども多く、実践的なアプローチが書いてあるものもあります。
しかし、コーチング・マネジメントは、相手との双方向のコミュニケーションを活用してマネジメントをしていくものですから、実際にやってみるとうまくいかなかったということも少なくありません。
そのため、独学でのスキルの習得は難しい可能性があります。
株式会社イマジナ代表が理事を務めるブランドマーケティング協会では、本格的な講座で実践的なマネジメント方法を出し惜しみなくお伝えしていきます。
まずは無料講座で内容をご覧になってみてください。
コーチング・マネジメントスキルを身に付けたい方へ
コーチング・マネジメントは、理論だけを頭に入れたのでは役に立ちません。また、スキルがないうちから実行しようとしても無理があります。
実際にコーチング・マネジメントを実践した後は、常に反省と振り返りを行うことが重要です。
しかし、このような環境が必ずしも自分の周りにあるとは限りません。弊社では、エンパワーメントマネージャー育成講座を開講しています。マネジメントにお悩みでしたらぜひ一度ご検討ください。