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リーダーの思考を覗く5分間「大・転職時代、最後に笑うのは誰か」

2025/04/08(最終更新日:2025/04/08)

#人材育成・組織開発

株式会社イマジナ 代表取締役社長の関野です。

 

「リーダー」。

言葉の定義としては「指導者」「統率者」「先導者」。

本メルマガでは、現役の会社経営者であり、同時に企業の課題解決に向けた伴走者として今まで2850社を超える企業の内情を見てきた私自身が今、全国のリーダーにお伝えしたいことを語らせていただきたいと思う。

今日は、昨今の転職ブームの中で起きている損得の図式についてお話ししよう。

転職市場で起きている、未来の搾取

世の中は大・転職時代。電車の広告でもどこでも、街中が転職を促している。

「転職したら給料が上がる」「スキルアップのための転職」

だが、こんな言葉が巷にあふれているのは日本だけだ。

海外、例えばアメリカでは、転職で職種を変えることによって給料が上がる事例など、まずない。企業で働く価値が、日本よりも遥かに実力と経験値で測られる世界だ。そもそも相応のスキルがないと企業は雇ってくれないので、みんな実力をつけることに一生懸命になる。

これは俯瞰すると、社会に実力ある人材が増えていくことになるため、良い傾向だろう。

 

一方、日本では「未経験者も可」、スキルがなくても転職できてしまう場合がある。

どんどん転職がスタンダードになる中で、やがて、次のように考える企業が増えてくる。

「入ってきた新人をがんばって教育しても、どうせ転職してしまうなら手間がかかるだけムダだ。誰がいてもいなくても、個人に依存せずに回せる仕組みを取り入れたほうがいい」

こうして、日本企業から「丁寧な社員教育」という文化が薄れていく。

転職市場は依然として拡大を続ける。

 

しかし、考えてみてほしい。

これからの時代、残っていくのは果たして、誰もが同じ役割を同じようにこなす、没個性的な会社だろうか。

それとも、その人しか発揮できない価値を最大化させる環境を用意したり、教育によって若い世代を育てたりできる会社だろうか。

 

私は、後者だと思う。

 

世論は私の主張とは真逆だ。少なくとも、今のところは。

経営をするにあたって見るべきは「今」や「ちょっと先」だけではない。

物事はビジョンから逆算して考えなければ、現状から大きく飛躍することはできないのだ。

AIや機械が人の単純作業を代替していく時代に、仕組みの中で動くことに慣れ、付加価値を生み出せない人材がより強く求められる未来は訪れないだろう。

 

転職ビジネスの過剰な蔓延は、若者から間接的に教育の機会と未来の可能性を奪っていると言っても過言ではないのではないか。

大人が無知な若者を商品にしている社会を、「まずは企業が人材教育を大切にする」ことで変えていく必要がある。私は本気で、そう思っている。

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