imajina

リーダーの思考を覗く5分間「”教育するな”という現代日本企業のメッセージ」

2025/04/09(最終更新日:2025/04/09)

#人材育成・組織開発 #採用・定着

株式会社イマジナ 代表取締役社長の関野です。

 

「リーダー」。

言葉の定義としては「指導者」「統率者」「先導者」。

本メルマガでは、現役の会社経営者であり、同時に企業の課題解決に向けた伴走者として今まで2850社を超える企業の内情を見てきた私自身が今、全国のリーダーにお伝えしたいことを語らせていただきたいと思う。

今日は、「”教育するな”という現代日本企業のメッセージ」というテーマでお話ししよう。

日本企業における部下育成の現状は、 なるべくしてこうなっている

現代の若者世代は、なぜ「頑張らない」のか。ライフワークバランスを重視し、昇進意欲も薄く、業務時間外で勉強して仕事に役立てようとする姿勢も見られないのか。

この答えは、企業が彼らに対して「頑張ってもさほど報われない」というメッセージを発しているからに他ならない。

 

たとえば、ある管理職が努力して部下をマネジメントし、自分より上の役職に就くほどに成長させたとしよう。

 

多くの日本企業が、昇進した部下本人には高い評価を与えるものの、部下の能力を伸ばした上司の評価は据え置きにする。これでは、評価制度という会社からのメッセージが「マネジメントを頑張っても評価は上がらないのだから意味がない」というふうに伝わっているようなものではないか。

 

たとえばその上司を「マネジメント能力が非常に高い」と評価し、プレーヤーではなくマネージャーとしての待遇を保証して重宝するなどの対応を見せれば、それは企業として「部下育成、社員教育を大切にしている」というメッセージとなって伝わる。

 

このような適切な評価がなされていれば、「部下が自分を抜かして昇進なんてしたら恥だ、あまり熱心に教育するのはやめておこう」などという、視野の狭い考え方もなくなる。

むしろ、マネジメント能力の高い者ほど「よし、部下を何人でも昇進させて自分の評価も上げよう」と、やる気を出すだろう。

 

現代日本企業に多く見受けられる、プレーヤーとしての能力以外の部分では管理職を評価しない体制。これがある限り、今の管理職もマネジメントに本気を出さないし、若者世代もそんな彼らを見て「管理職って、割に合わない大変なポジションだな」と、その役職を目指さなくなっていく。

 

特に若い世代は社会経験が浅いため、物事を判断する際の視野も短期的であることが多い。「この仕事量なのに給与はこれだけで、時給換算するといくらになる…意外と割に合わないな」などと考えてしまうのだが、そこできちんと「今はそれほど大きなリターンがなくても、将来的に大きく役立つ経験が得られる」と、長期的に見たメリットを伝えてあげることが大人の役割ではないだろうか。

 メルマガ会員募集  メルマガ会員募集

無料ブランディングセミナー

人と組織に向き合う企業事例を一挙ご紹介!

閉じる