仕事の生産性を高めなければ、ビジネスパーソンとしても企業としても勝っていけない今の時代。
どうすれば生産性が高まるのかと言われれば、一定の時間内に以前より多くの価値を生み出すことが必要であり、つまり各プロセスにおけるスピードアップが求められます。
同時に、避けなければならないのは業務ミス。たとえ一人ひとりがスピード感をもって仕事を進めていても、その中でミスばかり起こっていては仕事が前に進みません。
この「スピードアップ」と「ミスの軽減」双方に直結するのが、“良い報告”です。
マッキンゼーなどの調査によれば、何かが起こった際「すぐに」そして「透明性の高い」報告を上げることで生産性が25%向上し、業務ミスが30%削減されることがわかっています。
なぜこのような数字につながるかといわれれば、“良い報告”とは速く正しい意思決定を行うことにつながるから。
もし部下が、何らかの問題が起こったことをなかなか伝えず、やっと伝えてくれたと思ったらその内容も真実ではなかった、としたらどうでしょうか。
早く対処していればまだ浅い傷で済んだかもしれないところが、判断が後手に回ったことで既に収集のつかないことになっている可能性もあります。
そして、なるべく怒られないようにと問題の全貌を隠せば、報告を受けた側も「大したミスではない」と考えるでしょう。
それによって、問題の優先順位や重大性を取り違え、さらに大きな問題へと発展しかねないのです。
そうなれば、管理職は解決策の模索や周りへの謝罪に自分の時間を費やすことになり、生産性向上どころではありません。
上記をふまえると、企業として「意思決定や判断が促進されるような報告」を増やすような工夫、組織文化づくりを行っていくことは、緊急性の高いことといえるでしょう。
ただし、部下に「しっかり報告するように!」と伝えるだけで良い報告が増えるということはほとんどありません。
なぜ報告が必要なのか、報告することが組織にどれだけ大きなメリットをもたらすのか、そしてそれがどう本人への信頼につながるのか。
それを丁寧に部下へと伝え、「だったら報告した方がいいな」と腹落ちさせることができた組織から、生産性は高まっていくのです!