株式会社イマジナ 代表の関野です。
今回は、「皆さんと部下の、価値観の違い」というテーマでお伝えしたい。
皆さんは、「努力は大切だ」「頑張ることは自分のためになる」と思っている方が大半だと思う。しかし、ここで既に現代の若手とは大きなギャップが生じている。
信じがたい話だが、現代の若手は「努力することは意味がない」「仕事では頑張らず、効率よく楽をして生きるべきだ」と教わっているのである。
一体、誰がそんなことを教えているのだろうか?
答えは他でもない、「日本社会」なのだ。
例えば、昨今の副業ブーム。SNSでは毎日のように「おうちでサクッと、月収50万!」といった、簡単に稼げることを示唆するような広告が次から次へと表示されている。
そして、転職ブーム。電車の中吊り広告からテレビやYouTubeのCMまで、どこを見ても転職一色だ。転職するだけでいとも容易く収入や待遇が劇的に良くなるようなキャッチコピーが、そこら中に躍っている。
仕事の何たるかがわからないほど若いうち、それこそ学生の頃からこのような情報に日夜囲まれて育ったとしたら…
副業や転職にプラスのイメージを持ち、「自分も楽に稼ぎたいから副業したい」「仕事がきつかったら転職して環境を変えればいいんだ」と考えるようになるのは当然ではないだろうか。
それが今の若手世代の価値観なのだ。
このままどんどん、努力を嫌ってコツコツ積み重ねることを怠る若者が増えていけば、日本企業は到底、世界で勝っていけなくなるだろう。
そうならないためにも、若いうちに頑張って経験を積むことが後々の成長を大きく左右することを、大人がきちんと若手に伝えていく必要がある。
若いうちの努力が大切でも何でもないのなら、「若いうちの苦労は買ってでもせよ」などという言葉が長く受け継がれて残ることはないはずなのだ。
しかし、今の若手世代にそれをそのまま伝えて説得しようとしても、「楽をしないでもっと頑張れってことですか?それってパワハラじゃないですか?」などと思われかねない。
価値観の異なる相手に何かを伝えて納得してもらう上では、伝え方・伝える能力が非常に問われる。
どのように伝えれば、言いたいことが相手の価値観のフィルターによって歪められずに、正しい意味合いで受け取ってもらえるのか。伝えるタイミングはいつが適切なのか。
こうしたことを理解し、「言いたいことを伝える」のではなく「言いたいことが伝わる」ようにする必要がある。
今こそ我々がそのスキルを磨き、未来を担う若手を良い方向に導いていかねばならない。