2024年、横浜DeNAベイスターズが26年ぶりの日本一に輝きました。この快挙の裏には、選手それぞれの頑張りや、彼らを率いる三浦大輔監督の手腕と共に、南場智子オーナーの現場主義に基づくリーダーシップがありました。
弊社代表の監修により10月24日に発刊された1『ザ・リーダーシップ・マネジメント』でも触れられているように、リーダーが現場に足を運ぶことの重要性を、南場オーナーは体現してきました。
2015年のオーナー就任以来、南場氏は単なる経営者としてではなく、チームの一員として現場に寄り添う姿勢を貫いてきたのです。
現場との密接な関係構築
南場オーナーは、選手やコーチングスタッフとの直接的なコミュニケーションを重視してきました。試合後にグラウンドに降りて選手たちとハイタッチを交わし、三浦大輔監督と喜びを分かち合う姿は、その象徴と言えるでしょう。
シーズン中にも足繁くスタジアムに通い、応援する姿が何度もファンに目撃されています。
この姿勢は、チーム全体の一体感を醸成し、選手たちのモチベーション向上にも大きく寄与してきました。
ファンとの絆づくり
南場オーナーの現場主義は、ファンとの関係構築にも及んでいます。
斬新なイベントや施策を導入し、ファンとの接点を強化してきた結果、2024年には観客動員数が過去最高の235万人を記録しました。これは、リーダーが現場に実際に足を運び、現場の声に耳を傾け、実行に移した成果と言えるのではないでしょうか。
経営戦略と現場の融合
IT企業の経営者としての経験を活かし、南場オーナーは球団と球場の一体経営を実現しました。
この戦略的決断は、経営効率の向上だけでなく、現場でのファンサービスの質的向上にもつながりました。まさに、経営戦略と現場の融合を体現したものと言えます。
さらにDeNAはデータ分析に力を入れており、セイバーメトリクスを活用した戦略的な補強を行いました。これにより、選手たちのパフォーマンス向上が図られ、特に打撃面での改善が見られたのです。
未来を見据えたリーダーシップ
日本一を達成した今も、南場オーナーは「リーグ優勝していないので、それはまだ大きな忘れ物」と語っています。現状に満足せず、常に未来を見据えるリーダーの姿勢を示していると言えるでしょう。
ただし、南場オーナーは金と顔は出しても、選手起用や采配に口を出すことは決してありません。「任せて見守る」のお手本のような姿勢ではありませんか?
南場智子オーナーの事例は、リーダーが現場に足を運び、直接的なコミュニケーションを取ることの重要性を如実に示しています。
経営戦略を立てるだけでなく、その実行を現場で確認し、必要に応じて軌道修正を行う。この現場主義こそが、DeNAベイスターズを26年ぶりの日本一へと導いた原動力であり、今求められるリーダーシップの在り方を示唆しているのではないでしょうか。