出版業界にブランディングは必要か?~紙からウェブへの変化に伴って~
2016/06/29(最終更新日:2021/12/20)
前回の記事から長く時間が空いてしまったが、久しぶりにインターンによるメルマガをお届けします!まずは最近みた雑誌の記事について以下のメモを見てほしい。
4月25日発売AERA No.20号より
新書は本が売れなくなった時代においても、出版業界では活況を呈している。多くの出版社が新書を販売しており、各々のテーマを持ちながら販売をしている。
本を買わなくなった世代が増えていく中で、安価で教養を手にすることが出来る新書で提供する側の工夫などが見てとることができる。
ここから、新書業界では手に取りやすいというメリットを活かしながら各社の考えをその新書に込めながら販売していることが分かる。
私自身、学校の授業での参考文献や自分自身の研究テーマに関しての本を新書、文庫、ハードカバー、果ては雑誌等種類を問わず購入することもある。だがここで紹介されているような特徴などがあるのかどうかなどはあまり意識してこなかったので非常に興味深かった。
今回はそれに伴い出版業界のブランディングにフォーカスしてみたいと思う。
今紙媒体はwebへの移行が本格化してきている
最近よく僕自身の目につく内容は以下の二点である。
①雑誌の休刊
②ウェブ媒体への移行
特に雑誌の休刊についてはよく目に付くのではないだろうか。また、インターネットの普及に伴い紙で情報発信していたものがウェブ上に移行していく様になった。これは新聞・雑誌・マンガ・小説などあらゆる分野で起こっている。これを象徴するのが「クーリエジャポン」が紙媒体での出版を中止し、ウェブ上での有料記事を載せていくことに移行することになったのはニュースとしては少し大きく取り扱われなかっただろうか。
その流れで求められることは?
この記事もメルマガという形で、皆さまにウェブ媒体で情報をお届けしている。紙媒体で情報を受け取ることよりもウェブ上で自分の欲しい情報を検索し情報を得ることが出来る社会になっている。膨大な情報がウェブ上に存在するのである。読者としても必要な情報を取捨選択しながら、正確に情報を得られる様にならなければいけない。
では一方で、プレスする側としてはどのような意識を持たなければいけないのだろうか。事実として、紙媒体での情報発信は実際に下火になりつつあるだろう。それに伴い休刊やプレスしている情報自体をウェブに移行していかなければいけなくなるのは当然の流れだ。
その中でも出版していくメディア側はそのメディアに込められたメッセージ性、考えを明らかにしていかなければならないはずだ。各種のメディアにはそれぞれの見方や考え方があり、出版しているものにも特徴がある。その特徴を如何にブランディングしてウェブで発信していくか。スクープといった内容や、他にはない内容の記事をプレスしていくことも重要である(今年はスクープが多い様だが…)。だが、上記に紹介したように各社独自の考えがあり、また同じ内容の記事でも見方を変える視点を提供することは読者にとっても有意義なことになるはずである。
最後に
ただ、以上の様な内容は至極当たり前のことでありウェブ媒体が普及していく前でも心掛けられてきた内容ではあろう。ここで言いたいのは、ウェブに移行していく中でさらにそれを心掛けていきそのメディアを出版元の企業がブランディングしていく必要があるのではないかということである。
変化が起こり始めている時期では、様々な企業努力しているはずだ。特に出版メディアはこのような大きな変化の時期に自社のブランドを見つめなおしていくと共に、より良い情報発信を促進していく工夫をしていく必要があるだろう。有意味な情報を発信していくことが最も重要なことに変わりはないのである。
さて、ウェブに移行していく様子やそこで必要になってくるだろう所まで書いてきた。が、紙媒体はもう流行らなくなっていくのだろうか。そんなことはないのではないかという内容は次回の記事に記していきたいと思う。
編集長プロフィール
武正泰史(たけまさやすふみ) 法政大学人間環境学部三年
2015年1月からイマジナのインターンとして勤務。主に資料作成やレポートなどの作成を行っている。アジア最貧国の一つである東ティモール支援を行う学生NGO HaLuzの代表として現地での教育支援活動や交流事業を実施している。