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イマジナのブランディングとは

2020/05/14(最終更新日:2021/09/10)

#ブランド構築

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イマジナのブランディング

ブランディングの基本/ブランドは社員から生まれる

ブランディングに取り組む際にまず知っておいて欲しいこと。それは、ブランドイメージを決める主導権をもっているのは、企業自身ではないということ。顧客や取引先など、企業を取り巻く社会や世間なのです。

わかりやすく個人にあてはめてみましょう。
「私は、根はまじめなのです」
「ファッション感覚はいいほうです」
誰かから突然こう言われて、「ああそうなんですね」とすぐに心から納得する人はまずいないですよね。その人がまじめか不まじめか、ファッション感覚がいいのかどうかを決めるのは友人であり、上司や同僚です。

本人が何をどう主張しようが、それは周囲の評価とはあまり関係がありません。
まじめな人と思われたいなら、周りがそう思わざるを得ない行動や言動をとるよう気をつける。ファッション感覚がいい人というイメージがほしければ、日ごろから誰が見てもおしゃれでセンスがいいと感じる服や小物を身につけて、必死でアピールする。
これが正解だし、そうするのが普通の人の感覚です。
企業のブランディングも理屈はまったく同じなのです。

自分たちが伝えたいブランドイメージが、相手の頭の中に思い描かれ、多くの人の口から「あの企業っていいよね」という言葉が自然と出てくるようになる。こうなってはじめてその企業は、望ましいブランドイメージを手にいれることに成功した、ブランディングに成功したといえるのです。

そして問題はここからです。
「まじめにみられたいなら日ごろの行いや口のきき方を丁寧にしなさい」
「おしゃれの評判がほしければ、普段からそういう格好をすることが大事ですよ」
個人の場合だとこういうことは、誰にいわれなくてもみななんとなくわかっています。
ところが、これが企業のブランディングになると、広告代理店にお願いしてロゴをおしゃれなデザインに変え、印象的なテレビコマーシャルを制作してたくさん流しておけば、いつの間にか自分たちの意図した企業ブランドイメージが世間に定着するという幸せな妄想を、みなさん抱いてしまいます。
これでは群衆の中で、「ボクはまじめなのですよ」「こうみえてワタシのファッション感覚、なかなかのものです」と声を張り上げているのと変わりはしないわけです。
人々は「なに、この人」と横目で見ながら通り過ぎていくだけ。
企業というのは、世の中に特定の価値を提供するために存在する、ある意味抽象的な存在です。しかし、顧客や取引先にとっては、売り場のあの店員さん、営業担当の山田さんというように、自分がかかわる人が企業そのもの、ブランドそのものなのです。
いくらスーパーマーケットの店内に「私たちはお客様を大切にします」と大書されたブランディングポスターが貼ってあっても、定員の態度が横柄だったら、お客さまをお客さまとも思わないひどい店というブランドイメージが付いてしまう。
テレビコマーシャルでは人気タレントが額の汗を手で拭いながら「常に挑戦し続ける会社です」と笑顔で語りかけてくるのに、営業担当の持ってくる企画書は、いつも無難でおもしろみのないものばかりなら、相手の担当者は、保守的で退屈な会社というブランドイメージを抱くでしょう。

まさに「ブランドは社員から生まれる」のです。
個々の社員にブランドへの想いが浸透しており、なおかつそれが日々のビジネスに反映されていてはじめて、ブランドイメージは実態を伴ったものとして外部に伝わるのです。
逆にいえば、この部分を疎かにしていたら、広告宣伝やプロモーションにどんなにお金をかけようが、そのブランディングは絶対に成功しません。

ただ、これもまた簡単なことではありません。
社長が全社員を集め、「今日からブランディングに取り組み、これを当社のブランドイメージにします。みなさんもこのイメージに外れないように気をつけて、仕事に励んでください」とお願いしても、大半の社員はまず聞く耳をもたないでしょう。どうぞ役員のみなさんや宣伝部などのブランディング関係部署で、よろしくやってくださいってというようなものでしょう。
「よし、このブランドイメージどおりの会社にするぞ」
ブランディングの成功に向けて社員をそういう気持ちにさせるには、⼀人ひとりに、それを自分ごとだと思わせていかなければならないのです。同時に、ブランドイメージに込められた想いを実現することは、会社の将来の可能性を広げるだけでなく、自分の成長にもつながるのだという実感も必要なのです。
ブランドは社員から生まれる。
これは世界共通の常識であり、ブランディングにおいて無視できないルールなのです。

ブランディングのポイント/ブランドは一貫した「ストーリー」でつくり、大事にする想いと社員の日々の働き方をつなげる

ブランドに込められた想いはすべての社員に浸透しており、さらには、アルバイトやパートといった多様な働き方をする人たちにもそれを共有している必要があります。
そして、もうひとつブランディングにおいて大事なのが、個人とともに部署の活動の根底にもその想いが共通していなければならないということです。

たとえば、新しいことにチャレンジする会社というブランドイメージを構築しようとしているのに、人事部が新卒採用で、まじめでおとなしいタイプの人材ばかり採用していたらどうでしょうか。人事部は、これまでずっとそういう基準で採用してきたのに「何が悪いのか」というかもしれません。
でも、選考に漏れた学生は絶対に「看板に偽りありだ」「不誠実だ」と会社に対してネガティブなイメージを抱くでしょう。さらに、「人事は全然チャレンジングじゃない」というその人の感想がSNSで拡散され、学生の間で広まる恐れもあります。
新しいことにチャレンジする会社というブランドイメージの定着を目指すなら、採用基準もそれに沿ったものに変えるべきなのです。

さらにいえば、採用方法も他社がやらないような斬新なやり方を取りいれるべきです。
このようにすれば、人事部は人事部の業務でブランディングに貢献できます。
社員の評価に関しても同様のことがいえます。営業部ではこれまで売上数字で社員の評価をしていたとしたら、そこに「チャレンジ」という項目を加え、チャレンジングな営業活動をしたと認められた社員を高く評価するよう、制度自体をつくりかえるべきです。

どの企業でも、各部門は部門最適を追求することが会社の業績を向上させるのに最も効果的であると信じて、業務を行っています。
だが、本当にそうなのでしょうか。
ブランドコンセプトに基づかない業務や施策では、たとえそれで何らかの成果を上げたとしても、それによって企業のブランド価値が増すわけではありません。
⼀方、ブランディングが完成すれば、その企業の伝えたい想いは社会に広く伝わり、共感した人々の支持が具体的な消費行動を促すから、結果的にその企業の業績は伸びるはずです。
だからこそ、ブランディングに取り組むのなら、全社を挙げてそれに協力しなければならないのです。部門の価値観や都合を優先してブランディングと関係ないやり方を続けるような無駄は、極力避けていかなければいけません。

外部に直接働きかけるアウターブランディングにも同じことがいえます。
テレビコマーシャルは最新のトレンドをイメージしているのに、広報誌は古くさい。雑誌、新聞、インターネットに掲載する広告に統⼀感がない。
非常にもったいないが、こういうケースは実に多く散見されます。理由は担当部署やアウトソースするデザイン事務所などがバラバラで、それぞれが勝手に最善のものを考えているからです。
ただ、会社のすべての活動をひとつのブランドコンセプトに基づいて行うのは、決して簡単なことではありません。
そこで、威力を発揮するのが「ストーリー」です。
先ほどの新卒採用なら、学校の成績よりもどれだけ人と違う経験をしてきたかを重視して学生を、他社とは⼀味違ったやり方で採用していく。そうすると、最初からブランドイメージに合致したチャレンジングな人材を確保できるだけでなく、「あの会社は常識の枠を壊そうとしている」というメッセージにもなる。
さらに、宣伝部は単独でエベレスト登山に成功した若き冒険家をコマーシャルに登用して、チャレンジを歓迎するというブランドイメージに重ねる、営業部はその彼が愛用しているリュックサックを営業カバンとして使ってみる。
これだけ一貫して、企業のどこを切っても金太郎あめのように同じ顔が出てくるようになれば、もうブランドイメージがぶれることはないでしょう。
誰もがその企業に対し同じような印象をもち、「あの企業、いいね」といってくれるようになります。
ブランディングにおいては、そうなるまで「ストーリー」を何度も練り直し、完成度を上げ続けていくのです。

ブランディングのステップ/イマジナ流ブランディングの主な手順

「このメソッドを使えば必ず3カ月で御社のブランディングは完成します」いかにもどこかの広告代理店営業担当が口にしそうなセリフです。
私たちはそんなことは決して言いません。
理由ははっきりしています。どこの企業にも通用して間違いなく効果を発揮するブランディング方法やツールなど、この世に存在しないからです。
業界や業種、強みと弱み、創業時の理念、社長の想い、文化や風土、社員の特性、ブランディングにかけられる予算と時間、5年後や10年後にこうなっていたいという姿……
それら要素をすべて織り込んで、それぞれの企業に合った最適で最高のブランディング戦略をつくり、ゴールまでともに走りぬく、これが私たちイマジナのブランディングのやり方です。
ただ、そうはいっても毎回ピタゴラスの定理を発見するところから始めるわけではありません。プロジェクトの基本的な手順はほぼ決まっています。

1)ブランドコンセプトの明確化

ブランドイメージの核となるのは、やはりトップの想いでしょう。顧客にどんな価値を提供したいのか。社員をどうやって成長させるのか。この会社が社会の中で担う役割は何か。会社が向かう未来とは。私たちはトップととことん話し合って、ひとつひとつを明らかにしていきます。
同時に、社員を対象としたワークショップを実施し、彼らの会社に対する想いや、実現したいことなどをはっきりさせていきます。
これらプロセスを経て、社外から「いいね!」と言ってもらえるブランドイメージを探し出します。

2)ブランドコンセプトの具現化

ブランドイメージに込められた想いを、社員全員が正しく理解し、共有するための手段のひとつが「カルチャーブック」です。
これから取り組んでいくブランディングに関するさまざまな情報を、文字やイラストなどを用いて冊⼦にまとめたものを私たちはこう呼んでいます。
ビジョンやフィロソフィといった抽象的な概念のままだと、人によって受け取り方が微妙に異なるし、誤解も生じやすいでしょう。
カルチャーブックという形で可視化することで、ブランディングにおいてそういう不都合や不具合が起こらないようにしています。

3)ブランドを浸透させるための社内環境づくり

通常はブランドイメージを社外に発信する(アウターブランディング)前に、社員の理解を深め社内の隅々にまで浸透させる作業(インナーブランディング)を行っています。
その際、とくに重要になってくるのが、ミドル社員の役割です。
いまブランディングに取り組まなければならない理由や、なぜ自分たちがブランドイメージを意識して日常業務を行わなければならないのかといったことを、トップの説明だけで全社員が理解するのは難しいことです。
そこで、ミドル社員がトップになり替わって、そのままでは伝わりにくい部分は翻訳したりしながら、ブランディングの根幹を現場レベルに伝えていくのです。
ただし、それをするためにはファシリテーターとしての能力が要求されます。
そのため当社では、ミドル社員向けのブランディングファシリテーター研修も行っています。

4)ブランドイメージの浸透度を可視化

ブランドイメージやコンセプトが社内にどの程度浸透し、また実践されているかを把握するのは簡単ではありません。
そこで、当社では6カ月に⼀度の割合でブランドコンセプトの浸透度調査を行い、社員の理解、共感、行動をそれぞれ数値化・可視化しています。

5)共感を生み出すブランドコンセプトを社外へ発信

それまで各部署がそれぞれの判断で行っていた広告宣伝、PR、プロモーションなどの社外への発信を、ブランドイメージを踏まえたものに統⼀し、なおかつ効果的な組み合わせを探ります。
⼀般的にブランディング、ブランドイメージの構築というと、このアウターブランディングだけに意識が向きがちですが、その前段としてしっかりしたインナーブランディングがなされていないと、相手に「いいね」と思ってもらえるレベルに到達するのは難しいのです。
そういう意味では、ブランディングにおけるインナーブランディングとアウターブランディングは車の両輪のようなものだといえるでしょう。
一貫した「ストーリー」にもとづいてこの一連の取り組みが進んでいくことが、成功するブランディングにつながっていくのです。

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