人と会社が成長する人事制度とは
社員がイキイキと働きだす評価の仕組みづくり3つのヒント |
働く一人ひとりが前向きにパワーを発揮し、会社の成長に向かいイキイキと働きだすために、どんな人事評価制度がいま求められているのでしょうか?変化が激しい市場環境に合わせますます早くなる経営スピードに対応した人材育成と評価の仕組みづくりが必要です。
社員がイキイキと働きだし、人と会社がともに成長する仕組みを生み出すヒントがきっと見つかります!
突然ですが、あなたの会社で最近退職された方はいますか? あなたはその方が退職を選んだ不満理由を答えられますか?
退職を選んだ社員の不満理由調査です。下記の□に入る理由は?
(入社3年目まで)
1位: ?
2位:残業・拘束時間の長さ
3位:仕事内容のミスマッチ
(入社3年目を超えてから)
1位:会社に将来性がない
2位:賃金や労働時間等の条件が良くない
3位: ?
新入社員であれ、 中堅社員であれ、 個々の自己実現に向けた 成長意欲に報いることが 重要です。
様々な不満理由… 自社への本当の不満理由を 知るためのヒントは 「成長欲求」に あるかもしれません。
人材の定着・戦力化に大事なこととは?
社員の不満足理由に対するアンケート調査やレポートでは、「キャリア成長」以外にも様々な項目があり、実際に退職する社員にその理由を尋ねても、回答は様々でしょう。多くの経営者やマネージャーたちは、なにが自社の課題なのか、いろいろと考えあぐねて、結局お手上げ状態、なんてことに陥っていないでしょうか?
その答えのヒントは、人材の「成長欲求」にあるはずです。
人は、より高次の欲求である「成長欲求」が満たされないと、より下位の欲求要因を満たそうとします。「成長欲求」が満たされないと、その他の不満要因にまで意識するようになり、職場における人間関係や労働条件など様々なことにまで不満を抱くようになります。
一人ひとりの「成長欲求」に応えていますか?
個々の成長欲求を理解して それぞれに「成長」を 「実感」させることで 前向きなパワーが 生まれます。
「成長している」「成長の可能性」を実感できるか?
まずは仕事ではなく、趣味に置き換えて考えてみましょう。例えばゴルフ。始めたばかりの初心者のころは、こんな小さなボールをわざわざ打ちにくい道具を使って、大の大人がなぜこんなに夢中になるのか、さっぱりわからなかったのではないでしょうか。でもいろいろと考えて、いろんな人にアドバイスももらって、ある時きれいな軌道で飛んでいく打球をみて、ちょっと気持ちが晴れやかになったことがありませんか?
スイングを少しずつ改良して、練習を重ねて努力をすると、その成果が確実に表れてくる。まさに自分が成長していることがわかってくる。そうしたら、気が付いたら寝ても覚めてもずっと想い描くほど夢中になっている…
人は成長を実感すると、ワクワクして、 もっと成長したくなるもの。
仕事も一緒です。人は仕事でも成長を実感すると…
・仕事が楽しくなり、簡単にはやめなくなります。
・そして「もっと成長したい」という前向きなパワーが生まれます。
キーワードは『成長実感』
1 自分が望むべき成長が描けているか?成長を実感できているか?
2 自分が望む将来性がありそうか?成長の可能性を実感できているか?
人材の定着と戦力化で大事なことは「成長実感」… ではそもそも評価制度とはなんのためにあるのでしょうか?
報酬としての 適切な利益配分のための 適切な評価だけでは 会社の想いは一方通行で 終わるでしょう。
人事評価制度は何のためにあるもの?
もしも、企業活動の成果である利益を、会社への貢献度に応じて適切に報酬として配分するため、という答えだったら、残念ながら不十分な回答です。もちろん適切な利益配分が実行されないと不満もたまるでしょう。適切な配分のための適切な評価は重要です。
でも大事な答えは「社員一人ひとりの成長」と「業績達成」にあります。
■人事評価制度の目的
各自の組織を成長させたい、という
前向きなチカラを高め(=成長)、
組織としての業績を達成するため。
評価制度を「配分」だけに利用していてはもったいないです。しっかりと会社が望む方向性で「成長」させるための仕組みとして、そして組織全体として「業績を達成する」ための仕組みとして活用していきましょう。
人事評価制度は会社からのメッセージであり 最大のコミュニケーションの場です
成長方向性を明確にして 成長を可視化することで 一人ひとりの成果が 組織の業績達成、 事業成長へと繋がります。
人事評価制度に求められること
人事評価制度は前頁で見たように、「会社の成長」につながる「個人の成長」を生み出すためのものです。そのためには、個人の成長の方向性と、会社が求める成長方向性を一致させなければなりません。そして求める方向性で本当に成長しているのか。どれだけ成長しているのか、どこがまだ成長していないのか、その成長進捗を評価するために、可視化していかなければなりません。
■人事評価制度に求められるポイント
1 個人の成長の方向性と、
会社が求める方向性を一致させる
2 適切に評価するために、
どれだけ成長しているのか可視化する
上記が実現することで、
・本人のがんばりを適切に評価することができます。
・取り組んだこと、成長したことが直接評価され、会社と個人のお互いが納得し、評価にズレがなくなります。
評価される(望まれる)働き方で、 どれだけ成長しているのかがわかりやすくなります
一人ひとりの前向きなパワーを生み出し、組織の業績を達成するための仕組みである人事評価制度を導入するためには、これら3つのポイントを踏まえて制度を設計、導入する必要があります。
成長を実感できる制度設計とは?
会社の業績に直結する 項目で評価をすれば 成長の進捗がもっと わかりやすくなります。
人事評価制度の方向性(1)
人事制度を設計する際に、評価する対象を「業績」「行動」「能力」と区分けし何を評価するのか?という事を決めていきますが、現在多くの企業や組織では、「業績」を目標管理(MBO)で運用しています。企業の成長戦略にもとづいた全体目標を個人に落とし込み、その成果を評価していくことは、人の成長意欲を喚起し、業績達成に適切な運用手法だといえるでしょう。しかし、それを半期の6ヵ月や年に一度のタイミングで評価をしていると、期初に立てた目標がすでに事業内容や進捗と大きなズレが生じていて、結果上司の“なんとなく”の評価で序列だけつけてしまう、なんて経験はありませんか?
経営者も上司も評価される本人も「何のための評価制度?」と思ってしまう、まったく価値のない評価制度になっていませんか?それは現在の経営環境に制度が追い付いていないからです。現在の市場変化と経営スピードに対応した、評価制度に高めていく必要があります。
毎日の中で、できたものを 随時評価していけば 業績達成に向けた 成長が可視化できます。
人事評価制度の方向性(2)
もちろん、半期や通期で達成すべきことは目標として掲げますが、もっと日々の業務を評価の対象とすべきです。その方法としては、これまで設定してきたような目標をそのまま評価するのではなく、その目標を達成するために必要な行動・手順・プロセスにブレイクダウンし、その一つひとつ項目を、達成状況に応じて随時評価をします。決まった時期にまとめての評価ではなく、日々の仕事のなかで評価していくのです。
人事評価制度は、 組織の業績目標を達成し、 成長実感を生み出し、 組織のマネージメントの 質を高めていきます。
人事評価制度が生み出すメリット
一つ一つの項目での達成状況が可視化され、何ができたのか、何ができていないのか。どれだけできているのかが目に見える様になり、自身の成長が可視化されていきます。どれだけ成長したのか、これだけどれだけ成長できるのかがわかることで、成長実感が生まれます。
また、決まった時期ではなく日々達成状況を評価できるため、忙しくてプロセスをすべて把握できないプレイングマネージャーの期待役割をサポートし、コミュニケーションを補完することで、組織内マネジメントの質を高めていきます。
事前のシミュレーションとは?
事前のシミュレーション による綿密な準備が、 スムーズな運用につながり、 求める成果を 生み出すでしょう。
【事例】サイバーエージェント社のケース
2000年にマザーズ上場するも積極的な投資戦略により2000年から2004年9月期まで連続して赤字経営が続いていました。退職率も高止まり傾向(01年29%、02年33%、03年27%)が続き、抜本的な組織改革が求められていました。
人事制度の大改革に着手
①企業ビジョンの明確化「21世紀を代表する会社を創る」
②「業績に貢献する人事」への転換
組織改革にむけ、人事制度の大改革に着手した同社。その改革のぶれない柱としてまず企業ビジョンを明確化しました。そしてその改革の中枢として、業績に貢献するための人事となるべく役割と働き方を転換していきます。
多様な人事制度を導入、そのすべてに 事前のシミュレーション「白けへの対応」を実施
様々な人事制度を導入していく同社であるが、その制度すべてに事前のシミュレーションを実施。「この制度を導入すると誰が白けるのか?」「導入説明や運用の際にどんなセリフで白けるのか?」「向き合うべき白けは何か?どう向き合うか?」を検証しています。事前の綿密な準備により、想定通り導入・運用に移行していくことが可能となり、想定どおりの成果を生み出すことに成功しました。
離職率も大幅に低減(2003年30%➡12%)、 その後の飛躍的な事業成長を実現しました
各自の成長の方向性を把握するとは?
アセスメント分析により、 優秀人材の行動を知り、 育成する環境を整え、 確実に組織が成長します。 人材の育成は「行動特性」と「成長要因」の把握から
適性のある職務では、人は急激に成長していきます。それぞれの社員が、どう成長したいのか?どう成長できる可能性があるのか?その「行動特性」にもとづいた「職務適性」を把握することが人材育成には重要となっています。
例えば、12期連続増収 4期連続増益、海外で300店舗以上を展開する「良品計画」では、社内の優秀人材・リーダー人材を可視化し、最適な人材配置を徹底し、グローバルでの店舗展開を成功させてきました。
その会社や組織で著しく成長を遂げた優秀な人材に、アセスメントテストと360度評価を実施することで、その人材の「行動特性」と「実践行動」を客観的に分析します。その組織と職務において成果を期待できる優秀人材層をモデリングします。またアセッサーが行うインタビューによってなぜその人材が成長できたのかを分析することで、その成長へとつながる「成長要因」を特定することが可能です。「行動特性」と「成長要因」を把握することで、職務に最適な人材配置を実現し、その成長を確実なものとして、組織成長を加速させます。
イマジナでは貴社の成長を社内、社外の2つのブランディングから支援しています。
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Mail: info@imajina.com