モノではなく、価値を売るからブランドになる

Branding Success Tipsブランディング成功のヒミツ100

イマジナ・ブランディングニュース

モノではなく、価値を売るからブランドになる


 新型コロナウイルスの影響が甚大なものとなっている。緊急事態宣言が発令され、経済活動の停滞が現実化しているが、一部では「アフターコロナ」に向けた動きも生まれつつあるようだ。新型コロナウイルスの影響が終わったあと、生き残っていく企業はどのような資質を備えているのだろうか。


企業と人の働き方や消費行動が、大きく変わっている



 新型コロナウイルスの影響は深刻なものとなっている。政府は、国民全員が「人との接触機会を8割削減すべき」として、プライベートでの行動はもちろんのこと、企業に対して在宅勤務を働きかける状況が続いている。
 しかし、すべての業務をそのようにできるわけではない。接客業や技術職など、現場にいかなければどうにもならない仕事はたくさんあるし、人と会わなければ仕事がはじまらないという方も多いだろう。
働き方は大きく変わるなか、現場は急な対応に追われている状況である。緊急事態宣言が明けるゴールデンウィーク後までこの状況は続くと考えられるが、今まで当たり前だった働き方や価値観がそれに応じて大きく変わっていくのではないだろうか。




あきらめ倒産もでるなか、アフターコロナ後に成長を重ねる企業とは



 現場の対応に追われる一方で、新型コロナウイルスが終息したあとの経済状況、いわゆる「アフターコロナ」についても関心が高まっている。
 企業や組織で言えば、日常が戻っても在宅勤務は一層増えるだろうし、コロナ後にローンチする新規サービスの話も、ちらほらと聞きつつある。今現在は事態の渦中にいたとしても、「やまない雨はない」という意識で取り組む企業が増えているのは確かなようだ。
 しかしその一方で、「あきらめ倒産」なる話も出てきている。先日、都内でタクシー事業を営むロイヤルリムジンという会社が、グループ会社を含む5社で約600人いる乗務員全員を解雇するというニュースが流れた。今回の影響が大きすぎて、いつ客足が戻るのかわからず、業績回復の見込みが立たないためだという。
 今後、このような企業は増えていくかもしれないし、諦めるわけでなくとも、将来がどうなるかわからないと嘆く企業は多い(すべての企業がそうかもしれない)。
 しかし、前述の通り、やまない雨はない。アフターコロナ後の世界では、どのような企業が価値を発揮し、成長を実現していくのだろうか。


不況を乗り越えてきた「星野リゾート」の提供価値




 結論から言うと、ブランディングの側面で言えば、これからは「モノ」ではなく、「価値」を売る企業が生き残っていくのではないか。「価値を提供しろ」というのは、かねてから言われていることであるが、今回の件が一層拍車をかけている印象があるのだ。
 企業と個人の働き方や価値観が変化するなか、「不要不急」「ムダ」が可視化されている。必要なモノは最小限でいいし、インターネットで買えばいい。必要な人材がいれば、在宅勤務でも仕事はまわる。
 しばらく不況が長引くことが予想されるし、消費行動も賢くなっているため、本当に価値あるものに時間と予算を投資する傾向が一層強化されていくのではないだろうか。そのため、アフターコロナの世界で選ばれる企業は、ほかにはない「価値」を売る企業が生き残っていくのではないか。

 この「提供価値」に目をつけ、成長を実現しながら、リーマンショックや不況を乗り越えてきた企業がある。星野リゾートだ。
 星野リゾートの代表格である、「星のや軽井沢」の場合、平均宿泊費は5万2千円程度と、通常の倍以上はする。しかしメディアによると、1年以内リピート率が21%、また客室稼働率は81%だというから驚きだ。全国のホテルの平均客室稼働率が49%というから、その数字の高さがわかるだろう。
 その強さの秘密は、「ここでしかできない経験」を価値に変え、宿泊客に提供している点にある。
 星野リゾートは一度宿泊をしたら、そのとき得た顧客情報に基づき、2回目以降は1人1人にカスタマイズしたサービスを提供することにより、リピート時における顧客満足度を高めることに注力している。そのデータ内容は、味噌汁を毎回おかわりする、生野菜が好きなどの、本人でも意識していないような非常に細かい情報も扱っているというから驚きだ。
 従業員はその顧客情報をもとに、客が宿泊する当日、満足度アップの作戦会議を毎朝開く。
情報に基づきどのようなサービスを提供するのか考えるのはすべて現場。満足度アップのために、従業員にある程度裁量が与えられているのが特徴だ。
 このことから、星野リゾートは徹底的に顧客のためになることを考え、宿泊を超えた価値を提供していることがわかるだろう。宿泊場所の提供であればそれはモノの提供だが、情報を生かした接客が加われば、それは付加価値になる。星野リゾート以上に設備が整っているホテルはあるかもしれないが、あえて星野リゾートに泊まりたいと思わせる理由があるのだ。


まとめ


 アフターコロナの世界はどうなるだろうか。それは誰にも想像できないが、モノではなく、価値を提供する企業が生き残っていくのはたしかなように思える。「ビフォーコロナ」でもその傾向はあったが、よりそのスピードが加速していくだろう。
 モノからコトへ、と様々な場所で言われているが、その流れが一層強くなると思われる。自分たちがどんな価値を提供して、それをブランドにまで昇華していくのか。今だからこそ、考えたい。

 

こちらの記事もおすすめです。



    
コロナ対応で試される、企業のブランド力

    
テレワークの時代だからこそ、インナーブランディングを

    
フジモン&ユッキーナから学ぶ、ブランド崩壊の方程式


  

\全国でブランディングの無料セミナー開催しております!/



戻る