商品ではなく、感動を売る。ジャパネットたかたの想い

Branding Success Tipsブランディング成功のヒミツ100

イマジナ・ブランディングニュース

商品ではなく、感動を売る。ジャパネットたかたの想い


 安倍晋三内閣総理大臣は5月4日、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の延長を決定した。感染は収束に向かっているとの話もあるが、余談を許さない状況であり、また経済へのより大きな影響も心配されている。世の中が変化していくなかで、企業は消費者に対して、どのように自社や商品の魅力を届けていけばいいのだろうか。

変わりゆく生活様式と、消費者へのアプローチ


 緊急事態宣言により、外出自粛や企業の営業自粛が続いている。感染者数は全体で減少傾向にあるが、経済への影響は計り知れない。見積もられている影響は様々で幅があるが、今年中に収束すると仮定しても、マイナス10兆円〜20兆円程度になるのではないかと言われている。
 世界に目を向けると、さらにこの数字は大きなものになる。こちらも収束するタイミングによって違いがあるが、実にマイナス200兆円〜320兆円程度になるのではないかと予想されているのだ。これは実に、リーマンショック以上の額の大きさだと言われている。
 そのような現況を見て、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」も模索されている。政府が発表した資料によると、日常的に人との接触をできるだけ避け、症状がなくともマスクをするよう推奨している。また同資料の「買い物」項目において、通販の利用を推奨したり、計画を立てて素早くすますよう促したりといった文言も書き込まれているのだ。このような新しい生活様式は、消費者の購買行動にも影響を与えていくだろう。状況が変化していくなかで、企業はどのように消費者にアプローチをすればいいのだろうか。

商品の訴求方法を徹底的に考える、ジャパネットたかた


 企業は今後、自社のブランディングを含め、販促方法やマーケティング、また営業体制そのものも変えていかなければいけないかもしれない。従来の販売方法だけではない、ECを含めたオンラインでの活動も駆使し、自社や商品の魅力を届けていくことが大切になってくるだろう。
 そのような時流において、とても学びの多い事例がある。それはジャパネットたかたの営業手法だ。
ジャパネットたかたは長崎県佐世保市日宇町に本社を置く通信販売会社である。キャッチコピーに『「今を生きる楽しさ」を!』を掲げ、特色ある販売方法でサービスを展開してきた。同じ商品でも、ジャパネットたかたが販売すれば売上が上がると言われているため、その信用とブランドはたしかなものだと言えるだろう。
ジャパネットたかたと言えば、創業者の高田明がユニークなトークで商品説明をしていたことで有名だが、魅力はそれだけじゃない。他社メーカーの商品でありながらも、商品の訴求方法をゼロから徹底的に考えているのだ。

商品ではなく、その先にある「感動」を売る


 例えば、タブレット機器の販売。家電量販店等では若者やビジネスマンが購入するものでも、ジャパネットたかたの通販では購入者の7割が60代以上だということだ。創業者の高田明氏はこの現象について、メディアでこう述べている。「私も最初からシニア向けを意識していたわけではない。若いビジネスパーソンを想定してご紹介していたのだが、あるときふと、高齢者にとって、こんな魅力的な商品はないんじゃないか?という考えが頭をよぎった」。
 そこでトークの内容を、シニア層が知りたいと考えられる情報を伝える形へと変更した。実際に通販番組を見てみると、「タブレットに話しかけるだけで、旅行先でも検索がすぐにできますよ」
「冷蔵庫の中の余った食材にぴったりのレシピが検索できますよ」といったふうに、機能ではなく、「簡単にタブレットを楽しめる」という点を訴求していることが見てわかる。
 これらは、タブレット機器を知っている、もしくは扱ったことのある者なら誰にでも常識的な内容である。しかしそれはあくまでも、「タブレット機器を知っていたら」の話。シニア層の多くは、タブレットとは何か、そもそも何ができるのかを知らなかったのだ。そこで日常のシーンを想起させながら、タブレットを使えばこんなことができる、こんなに生活が豊かで楽しくなるということを、テレビ越しに伝えたのだ。
 高田氏はメディアで、「商品は単なるモノではない。私は、ジャパネットたかたのミッションを商品の先にある『感動』をお伝えし、商品を手にしたお客さまに『幸せ』をお届けすることと定義した」と、述べている。その言葉の通り、通販では商品を手にしたときの感動を伝えている。掲げたミッションが、商品訴求における新たな視点の発見につながり、ジャパネットたかたのブランドへとつながっているのだ。

まとめ


 ジャパネットたかたは、未上場企業ながらもその販売方法のユニークさで全国へと知名度を広げていった。扱っている商品は家電量販店で手に入るものでも、ジャパネットたかた「だから」買う理由が生まれる。営業が難しくなっていく時代に、本事例はとても学びになるのではないだろうか。
経済状況が変化すると、大きな壁にぶつかることがある。しかしどのような時代でも、商品を訴求し、信用とブランドを作る方法があることを、ジャパネットたかたは教えてくれた。

 

こちらの記事もおすすめです。



    
コロナ対応で試される、企業のブランド力

    
テレワークの時代だからこそ、インナーブランディングを

    
フジモン&ユッキーナから学ぶ、ブランド崩壊の方程式


  

\全国でブランディングの無料セミナー開催しております!/



戻る